第八十七話 肉と難敵
ジュウジュウと焼けたステーキを僕は食べていた。当然美味しい。
現実でもたくさん食べてはいるが、牛肉ばっかりと言うわけにはいかないし。
「いやー、美味しいね」
僕は言った。
「そりゃそうだね」
ミレーヌはそう言った。
「肉だけじゃなくて、野菜も食べなきゃダメだよ」
グレースがそう言って、シーザーサラダを持ってきた。
「お、くれるの?」
僕は言った。
「良いよ。まったく、肉ばっかり食べるクセができちゃだめなんだからね!」
そういうグレース。
「まあ確かに、フランス料理とかイタリア料理とかって、肉が多いんだよね」
オリアーヌはそう言った。
「あらみなさん、ずいぶん肉を食べておられますね」
アメリーさんもやってきた。
「おにいちゃんもおねえちゃんも、ステーキ食べてるんだね」
メリッサが来てそう言った。
「ふふん、お揃いだよ。良いでしょ」
何か自慢するミレーヌ。
「むう……」
ちょっと悔しがるメリッサ。可愛い。
「ちなみにダンジョンは前と同じパーティーで行くの?」
グレースが聞いた。
「んー、それでも良いけど、ここからは私は必要ってことも無いだろうし、オリアーヌかグレースさんに譲ろうかな」
メリッサは言った。
「私の召喚魔法も、ここまで来たらあまり役に立たないさ。ここからはグレースさんに頑張ってもらわないと」
オリアーヌはそう言った。
「そうですか? まあ、活躍するのは嫌いじゃないですけどね」
グレースはそう言った。
「私ももちろん活躍しますよ!」
そういうレナータさん。
「白魔法が使えたらもっと活躍できたと思うんですが……」
そういうシビラ。
パーティーは前衛が僕、ミレーヌ、シビラ。後衛はアメリーさん、レナータさん、グレースだ。
僕達は86階へワープした。そこから87階へと昇る。階数も100へと近づいて来た。旅の終わりも近い。
敵はコンドル一羽のようだ。大した相手ではないだろう。
僕のもとへと攻撃してくる。僕は突撃を受けようとするが、間に合わずダメージを受けた。
「うぐ!」
後退する僕。旋回し、今度はアメリーさんに攻撃する。
「きゃあ!」
ダメージを受けるアメリーさん。油断ならない相手だ。
「《赤魔法:電撃嵐》!」
グレースの魔術が発動。敵を電撃で包み、ダメージを与え、麻痺させた。
「《赤魔法:火柱》!」
レナータの魔術。もの凄い火柱が発生し、コンドルを焼き殺した。
戦闘に勝利しました!
「キャンプ」
シビラの声で青い光が広がる。徐々に回復する。
「あんな鳥一羽とはいえ、油断できませんね」
アメリーさんが言った。
「このあたりまで来ると、どんな敵も強いですからね。見た目で判断できないですよ」
レナータさんは言った。
88階へと進んだ。
敵は金色に輝く人型の怪物だ。巨大な剣を持っている。三体居るようだ。
『危険な相手だね。気を付けて』
メリッサが忠告する。
「見りゃわかるけどな。警戒を!」
シビラが号令を出した。
接近してくる敵。まずはグレースが魔術を詠唱する。
「《赤魔法:電撃嵐》!」
地走りする電撃で敵の動きを止めた。バリバリ、と音がする。
「《赤魔法:電撃嵐》!」
更にレナータの魔術も発動し、敵の動きをロックする。
「はあ!」
僕が突撃し、拳を食らわす。ガシガシ、と決まり、大ダメージを受ける敵。更にミレーヌとシビラも続く。
「《剣技:冷酷なる刺突『鈴蘭』》!」
ミレーヌの強烈な刺突が決まる。更にシビラの突きが決まり、一体を仕留めた。
更に襲い掛かる敵。僕に向けて大剣を振り下ろす。素早い一撃を僕は受けきれなかった。
「うっ」
斬撃を食らい、ダメージを受けた。アメリーさんが回復する。
「《白魔法:治癒Ⅱ》!」
回復する僕。すぐさま敵に飛び蹴りを食らわした。
「《赤魔法:電撃嵐》」「《赤魔法:電撃嵐》!」
グレースとレナータは電撃を放ちまくる。敵の動きが止まるので、良い攻撃だ。
「《剣技:血に染まれ『牡丹』》!」
ミレーヌの横斬撃が決まり、2体目も倒した。
「はあ!」
三体目に襲い掛かるシビラ。だが敵はそれをかわす。反撃の斬撃をシビラに食らわした。
「うぐ……!」
撤退するシビラ。
「《白魔法:治癒Ⅲ》!」
アメリーさんが回復した。
突進してくる敵。
「《赤魔法:轟音波動》!」
強力な轟音の波動を繰り出すグレース。敵の動きが止まる。
「《赤魔法:超新星爆発》!」
大魔術を放つレナータ。見事に決まり、敵を仕留めた。
戦闘に勝利しました!
全員レベル91に上がった!
美しい宝箱を見つけた!
「もう油断できる敵は出てきませんね」
アメリーさんはそう言った。
「まあそりゃそうだね。宝箱は?」
グレースが聞く。
「んじゃ開けますね」
レナータさんが開けた。
そこには怪しげな赤い宝石。★★運命の指輪『ジャスパー』と表示された。
『シビラさんのだね』
メリッサは言った。
「お、マジか。有難いね。何か地味だけどカッコいいじゃん」
そう言ってシビラは、指輪を装着した。
「いいなー、シビラ。私も魔剣が欲しい」
そういうミレーヌ。
「そろそろ手に入るだろ」
シビラは言った。
『魔剣を手にすると世界滅亡するとかいう設定があるんだけどねえ』
オリアーヌはそう言った。
『まあこのゲームだと欲しくなるよね、魔剣』
メリッサはそう言った。
僕達は休憩後、89階へと進んだ。ボス戦だ。