第八十五話 宝物庫戦 VSレッドドラゴン
宝物庫の中には、巨大な紅い龍が鎮座していた。
ギロリ、とこちらを睨む。
「ど、ドラゴンですね。強そう……」
驚くアメリーさん。
「まあでも王道ですよねドラゴン。何か終盤まできた感があるな」
シビラはそう言った。
「もちろん強力な相手だけど、何とかなるはずだよ」
メリッサはそう言った。
「ドラゴンと戦えるなんて、ゲームならではだね」
僕はそう言った。
戦闘が始まった。すぐさま、レナータさんが魔術を詠唱する。
「《赤魔法:天罰》!」
バリバリ、と電撃が決まる。
「《超能力:精神破壊》!」
メリッサも超能力を加えた。
ドラゴンは炎のブレスを吐いた。味方全員が焼かれ、ダメージを受ける。
「うわ!」「きゃあ!」「うっ」
かなりのダメージだ。これはまずい!?
「《白魔法:治癒の雨》!」
すぐさま回復するアメリーさん。全員回復したようだ。
「あれが危険なんだよね。とにかく攻撃しまくって。それしかないから」
そういうメリッサ。
「そうなのか。結構脳筋なゲームだなあ」
そう言って突撃するシビラ。確かに。
シビラ、ミレーヌ、僕が攻撃する。しかしドラゴンは巨大で、あまりダメージが入らない。逆に牙で噛み付かれ、ダメージを受けた。
「《白魔法:治癒Ⅱ》!」
回復してくれるアメリーさん。しかしその回復も無限ではないだろう。
「落ち着いて。そんな大した相手じゃないよ」
そういうメリッサ。
「《赤魔法:電撃》!」
電撃を撃つレナータ。ダメージはわずかだ。
「《剣技:一刀両断『桜』》!」
切り裂くミレーヌ。ダメージが入る。
「《槍技:龍破槍》!」
突撃するシビラ。更にダメージが入った。
「うわああ!」
僕も打撃を加える。少しずつダメージは入る。
ゴオオオオオ、と炎のブレスを吐くドラゴン。また味方全員に大きなダメージが入る。
「《白魔法:治癒の雨Ⅱ》!」
回復するアメリーさん。
「魔力は大丈夫?」
メリッサが聞いた。
「あと少ししかないです……」
そういうアメリーさん。まずい?
「《超能力:魔力送付》」
メリッサが魔力を渡したようだ。
「まあ、ありがとうございます」
アメリーさんは感謝した。
「大技で行くよ。《紫魔法:破滅の矢》!」
レナータさんの合成魔術。より強力な必殺の魔術攻撃だ。ドラゴンのヒットポイントも半分を切った。
ひたすらドラゴンを殴る三人。しかしダメージは少ない。鱗が硬いようだ。
前足で切り裂くドラゴン。しかしシビラはそれをかわした。
「《赤魔法:超新星爆発》!」
赤の最強魔術を放つレナータ。大ダメージが入った。
「よし! 《最後の切り札:無双の構え》!」
僕はジョーカーを発動した。あらゆる攻撃を一定期間跳ね返す。
ドラゴンは噛み付くが無効になり、ブレスも跳ね返した。
「やるねカオリ。《最後の切り札:零の太刀》!」
ミレーヌもジョーカーを使う。敵のヒットポイントを何割かカットする。
「それならこれで止めだ! 《最後の切り札:魂の一撃》!」
流星のようになり突撃するシビラ。ドラゴンを貫き、倒した。
戦闘に勝利しました!
全員レベル90に上がった!
巨大な美しい宝箱を見つけた!
「ふう、何とかなりましたね」
レナータさんがそう言った。
「やっぱりドラゴンは強いね。油断ならない相手だよ」
メリッサはそう言った。
「さすがに終盤なのか、敵も容赦なくなってきたね」
ミレーヌはそう言った。
シビラが宝箱を開けた。中には3つのアイテムがある。
一つは赤く輝く怪しげな短剣。★★魔剣『煉獄』と表示された。
もう一つは薄く赤く輝く宝石。★★運命の指輪『カーネリアン』。
そして白く輝く銃。★★魔剣『叡智』。
「とうとう見つけたね! このゲーム最重要のアイテム、★★魔剣『煉獄』だよ。グレースさんの装備だね。それから★★運命の指輪『カーネリアン』はアメリーさんの。★★魔剣『叡智』はもちろんガリーナのだね」
メリッサが言った。
「そうなんだ。しかしよく覚えてるね、メリッサ」
僕は言った。
「まあね。《超能力:鑑定》でも使えばわかるけどね」
そういうメリッサ。
「それにしても、ドラゴンを倒して最重要アイテムを拾うとは、縁起がいいですね」
レナータさんは言った。
「確かにそうだな。もうラスボスとも戦えるんじゃないか?」
シビラは聞いた。
「確かに、その権利は得たね。ただ、できるだけ力は蓄えておくべきだよ。もう少し魔剣と運命の指輪を揃えたいね。できれば全部」
メリッサはそう言った。