表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マジックガールズ・センテナリーフェスタ  作者: 秀一
第八章 機械の階層 71階~80階 進み過ぎた文明の黄昏
105/133

第八十三話 尊敬する人


 その日も僕は、朝早くからゲーム内に潜った。

 

 ゲーム内の城を歩き回る。さすがに誰も居無さそうだ。僕は大学へと行った。

 

 大学か……。僕としてももちろん大学は第一目標だ。ちょっと憧れもある。道端に落ちていたサッカーボールを蹴った。

 

 図書館がある。もの凄く綺麗だ。本の置き方も変わっていて、あんまり現実感はない。螺旋状に無限とも言えそうな本が置かれている。もっとも、大半はくだらない本みたいだけど。

 

 そうしていると、本を読んで椅子に座っている女の子を見つけた。グレースだ。

 

「おはよう、グレース」

 僕はあいさつした。

「お、カオリちゃんか。おはよう」

 挨拶してくれるグレース。また本を読んでいる。

 

「何を読んでるんですか?」

 僕は聞いてみた。

「歴史の本だよ。古代ローマの本だね」

 グレースはそう言った。

 

「古代ローマですか。そういえば、クイズゲームでもそんな問題が出てましたね」

 僕は言った。

「へえ、クイズゲームなんてやったんだ? あんまりカオリちゃんには似合わないけど」

 そんなことを言うグレース。

「酷いなあ。まあカトリーナちゃんがやりたがったんですけどね」

 僕は言った。

 

「やっぱり凄い人は居るんだなあ、とか思ってね。薫くんは尊敬する偉人とか居るの?」

 そう聞くグレース。

「んー、そうですね。リンカーンとかでしょうか」

 僕は適当に言ってみた。

「あはは、似合わないよ、薫くん」

 そういうグレース。まあそうかもね。

 

「向日葵さんはどうなんですか?」

 僕は聞いた。

「私? んー、そうだね。源頼朝とかかな」

 そんなことを言う向日葵さん。

「マジですか? イマイチ賛否両論だと思うんですが……」

 僕はそう言った。

「きちんと将来の事を考えてる人が好きなんだよね。行き当たりばったりじゃなくてさ」

 向日葵さんはそう言った。

 

「向日葵さんはどうなんですか? 農家では満足できないんですか?」

 僕は聞いてみた。

「いやいや、そんなことは無いよ。農家だって楽しいしね。ただ世の中は色々動いてるし、最新技術も取り入れたいしね。スマート農業ってやつだよ」

 そういう向日葵さん。

「そうなんですか……。やっぱり立派な人ですね、向日葵さんは」

 僕は言った。

 

「ありがと。薫くんも本読みなよ。きっと何かの役に立つよ」

 向日葵さんはそう言った。

「ありがとうございます。んじゃ、ちょっと読んでみようかな」

 僕は本を読むことにした。それにしても、凄い蔵書量だなあ……。

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ