第七十九話 ★★魔剣『運命』
僕達は少し休憩して、76階へと進む。
急ぐことはないだろうけど、もうあまりのんびりしても居られない。
登場したのは、巨大な紅い戦車。キャルキャルキャル、と履帯が回り、全てを踏みつぶす。
「おいおい、戦車と戦うのか!? びっくりだよ」
そういうシビラ。
「まさか戦車と戦うとは……」
僕も驚いた。
『難敵だよ。出し惜しみは禁物だね』
そういうメリッサ。
「どこをどう見ても難敵だね。やれやれだよ」
そう言って弓矢を構えるミルヤ。
矢を放つミルヤ。しかし弾かれてしまう。ガリーナの射撃は決まった。だが、ダメージはわずかだ。前進し、大砲を放つ戦車。ドーン!
「くっ! てえい!」
飛んできた砲弾を蹴り飛ばす僕。うまく防ぐことができた。
「ナイスだね。よーし、《剣技:華麗なる一撃『撫子』》!」
斬撃を加えるミレーヌ。少しのダメージが入った。
暴れる戦車。難しい相手だ。まあ普通女の子は戦車と戦わないし。僕も戦わないしね……。
ドドドド、と前進してくる戦車。僕を轢き殺すつもりのようだ。
「ふっ!」
ガシ、と受け止めた。根性で押し返す。
「はあ! 《剣技:一刀両断『桜』》《『桜』》《『桜』》!!」
三連斬撃を加えるミレーヌ。かなりのダメージが入った。
「《槍技:流星槍》《槍技:地烈槍》《槍技:天下槍》!」
凄まじい刺突連撃を加えるシビラ。
「《第二の切り札:アルテミス》《第三の切り札:インドラ》《第四の切り札:運命の矢》!」
ミルヤが3つのトランプを切った。アーチャー最強のコンボ、百倍矢だ。
「つああ!」
ビシューン! と矢を放つミルヤ。戦車に刺さり、凄まじいダメージを与えた。
戦車は倒れ、消滅した。
戦闘に勝利しました!
全員レベル73に上がった!
怪しげな宝箱を見つけた!
「ふー、どれどれ?」
そうして開けるミルヤ。
中には、巨大な紅い槍があった。★★魔剣『運命』と表示される。
「剣じゃ無くて槍じゃん」
そういうミレーヌ。
『おめでとう! 最強の槍だね。ちなみに魔剣は色んな形を取るよ。便宜上、魔剣って言うけどね』
そういうメリッサ。
「当然あたしのだよな? 魔剣の力、見せてもらおうか」
そう言って、槍を手に取るシビラ。バシーン、と稲妻が落ち、装備された。
※シビラが魔剣を手にしました。 浸食率0% → 1% ※
「お、ステータスがすげえ上がってるな。ところでさ、神降とかいうのはどうするの?」
シビラは聞いた。
『神降と宣言すればできるけどね。でも、ラスボス戦までは基本的に使わない方が良いよ。ラスボス最終形態に残しておくべきだね』
そういうメリッサ。
「ん? でも物理攻撃は効かないんじゃなかったっけ?」
そう聞くシビラ。
『神降は透過攻撃だから効くよ』
メリッサはそう言った。
「そうなのか。そりゃありがたいな」
シビラは言った。
「私がトランプを切っちゃったし、今日はこの辺で終わる?」
そう聞くミルヤ。
「ん、そうだね。それでいい?」
僕は聞いた。
「致し方ないね。無理は禁物だよ」
ミレーヌはそう言った。
「んじゃ帰ろうか」
シビラはそう言って、帰還の石を使用した。