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マジックガールズ・センテナリーフェスタ  作者: 秀一
第一章 始まりの階層 1階~10階
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第八話 新聞部


 僕は家に帰った。少し勉強をした。

 朝ごはんはちょっとだけパンを食べた。割とお腹は一杯だ。

 

「へえ、おにいちゃん朝市行ってたの? まだちょっと早いと思うけど」

 秋奈ちゃんはそう言った。

「まあね。ちょっと手伝いをしてきたよ」

 僕はそう言った。

 

「私は学校の部活があるから、もう行くね」

 おねえちゃんはそう言って、出かけて行った。

「行ってらっしゃい」

 僕はそう言った。

 

「お兄ちゃんはどうする?」

 聞く秋奈ちゃん。

「んー、トレーニングでもしようかな。何か買っておくものとかある?」

 僕は聞いた。

「そうね。チーズでも買っておいてもらおうかしら」

 おかあさんが言った。

「んじゃさ、アイス買っといてよ。ついでにジュースも!」

 そんなことを言う秋奈ちゃん。

「はいはい。チーズにアイス、ジュースね」

 僕はメモって、出かけることにした。

 

 僕は外を走る。ひとまずのランニング。

 海が見える。キラキラと朝日に輝く青い美しい海だ。対岸に本土も見える。

 

 しばらく行くと、中学校が見えた。思い出の学校だ。

 

「誰か居るかな」

 僕は中に入ってみた。夏休みだし、誰もいないかもしれない。

 

 この体育館にはトレーニングの施設がちょっとある。僕はそれを使っていい事になっていた。今はどうか知らんけど。

 

 体育館に居ると、見知らぬ女の子たちが何かやっていた。小さい女の子が全力でランニングマシンを使っている。

 

「ほらキャプテン! 頑張ってー」

「根性! 根性ですよ!」

 応援する周りの女の子たち。だが当の本人はヤバそうだ。


「うひい……、も、もうあかんわ……」

 そう言って倒れ、後ろに引きずられる。落ちる!

「危ない!」

 僕は叫び、彼女を後ろから抱きかかえ、支えた。

 

「ふう……」

 大丈夫だったようだ。危ない危ない……。

 

「な、なんや!?」

 慌てる女の子。ていうかこの子、関西弁だな。まあ僕も関西に行っているので、よく解るけど。

 

「キャプテン! 白馬の王子様です!」

「きゃー! もうお嫁に行くしか!」

 騒ぐ二人の少女。

 

「いや、こんな事で人生を決められても……。ていうか、ランニングマシンは無理すると危ないよ。ああ、こんな速度にして……」

 僕は速度を下げ、マシンをおとなしくさせた。

 

「ふう……。ありがとうございました。ていうか、どっかで見た事あるな、あんた……」

 そういう関西弁の女の子。うーん、僕も見たことあるか?

 

「この人、秋奈のおにいさんじゃ?」

「秋奈ちゃんとこの人だね」

 そういう二人。

 

「まあ、そうだね。今は本土に行ってるけどね。雨宮薫です。よろしく」

 僕はそう言った。

「やっぱり薫おにいさんやな。浅見優奈と言います。よろしく!」

 優奈ちゃんはそう言った。

「篠崎由美です!」

「坂上萌恵だよ! よろしくね、薫おにいさん!」

 そういう女の子たち。

 

「今日は久々に昔のトレーニング場に来て見たんだけど、君たちは?」

 僕は聞いた。

 

「ふっふっふ。よくぞ聞いてくれました!」

 何か超カッコつける優奈ちゃん。手をかざす。

 

「私達は新聞部! よって何か面白いネタが無いか探しとったんや!」

 優奈ちゃんはそう言ってのけた。

 

「つまり暇だったって事? まあ良いけどさ……」

 呆れる僕。

 

「あはは、でもネタなら見つかったじゃん。おにいさんはネタの塊っぽい気がするね」

 由美ちゃんはそう言って僕を指さした。

「だよね! さあおにいさん! 面白い話をプリーズ! 記事にしてあげるよ!」

 そういう萌恵ちゃん。

 

「いや、別にしていらんけど。ていうか、何でランニングマシンを使ってたのかも意味不明なんだけど……」

 僕はそう言った。

 

「たまには汗を流したくなることもあるんや。この島じゃ、ネタもやることもあんまりないしな……。最近も、ニュースと言えば例の『マジックガールズ』ぐらいかな」

 そういう優奈ちゃん。

 

「ん、そのゲームの名前が出てくるとはね。流行ってるわけ?」

 僕は聞いた。

「お、おにいさん知ってるの? まさかやってるとか?」

 聞く由美ちゃん。

「まあ……」

 認める僕。

 

「うはあ! これは凄い! おにいさんは実は魔法少女好きの変態だったんだね! よし記事にしよう! いますぐに!」

 宣言する萌恵ちゃん。

「いや、それはマジでやめてほしいんだけど……」

 本気で嫌な僕。

 

「まあ、賞金も出るしな。ウチらも新聞部として賞金とネタを狙っとるんやで。せや、おにいさんも新聞部に入ってや」

 そういう優奈ちゃん。

「そりゃ無理だよ。僕は『ソニックレイジ』に入ったからね」

 僕はそう言った。

 

「ソニックレイジってあの桃花さんの?」

 そう聞く由美ちゃん。

「まあそうだね」

 僕は言った。

「へえ、あそこは資金不足だと思うけどなあ。まあこの島だとチーム作るのも苦労するよね」

 そういう萌恵ちゃん。

「資金不足って……、お金かかるの?」

 僕は聞いた。

 

「何や知らんのか? マジックガールズはありえないぐらい金がかかるゲームとして有名やったんやで。まあ、最近は大分ましになったらしいけどな」

 そういう優奈ちゃん。

「へえ、そうなのか。そうすると百万円貰えるってのも、あながち赤字ってわけじゃないのかな」

 僕はそう言った。

「女の子からお金を吸い上げまくる悪魔のゲームとも言われるからね。そりゃ今回みたいに還元もたまにはしてくれないと、割に合わないよ」

 由美ちゃんはそう言った。

 

「そういうことならさ、私達もソニックレイジに入れてくれない? 空いてるならでいいけどさ」

 萌恵ちゃんは言った。

「ん? そんなこと僕にできるの?」

 聞く僕。

「人数にもよるけど、多分できるんちゃうかな。12人までは組めるからさ。まあジョブとかの兼ね合いもあるけどな。まあ、ソニックレイジやったら知ってるし私らからアプローチしてもええで」

 優奈ちゃんはそう言った。

「へえ、そういうことならお願いしようかな。僕ももし桃花に会ったりしたら話しとくからさ」

 僕は言った。

「オッケー! よし! 目指すは百万円! ついでにマジックガールズの記事も書いて新聞も売って儲けるで!」

 そういう優奈ちゃん。

「わーい!」「金だ金だー!」

 金の事ばかり考える女の子たち。

 

「まあほどほどにね……。僕としては、ちょっとトレーニングしていきたいんだけどいいかな?」

 僕は聞いた。

「もちろんええで。よし、それも取材させてもらおうか!」

 そういう優奈ちゃん。

「まあ良いけどね。んじゃ、よろしく」

 僕はそう言って、トレーニングを始めた。

 


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