結界の外は、フリーダム。
結界の外は、迷いの大森林と言われるだけあって暗い緑が拡がっている。
最初に来たときは、恐怖や不安で一杯だったが三年も通い続けてる事と、クソ妖精どもの声を聞かなくて済むと思うと、自然とこっちにいる方が、居心地が良かった。また、里にいるよりもこっちにいる方が体が軽く感じた。
しばらく飛び、いつも使っている拠点に辿り着いた。
拠点って言っても簡易的な山小屋みたいなもんだが。
小屋の中に入り、床下の隠し棚から、壷を取り出す。
中には蜂蜜が入っている。
これは、森にいる蜂の女王のハチコさんから花蜜と交換で貰ったものだ。
ハチコさんとの出会いについては、いつか話す機会があれば話そう。
蜂蜜を食した俺は、小屋を出て里の為に木材と衣草を探さないと行けないが、もうするつもりはない。というか、里には帰りません。誰があのクソ妖精どもの為に、やるか。
クソ、ボケ、バカ、アホ、オタンコナス。
少しスッキリしたので、今後について考えてみる。
まず、この拠点を破棄する。里から離れてはいるが、これない距離ではない。まぁあいつらは来ないだろうけど。
次に食糧を持っていく。ここに通い続けてる間に少しずつ貯めて来たから何ヶ月か持つだろう。俺の影収納に入れとけば持ち運び出来るしな。
最後に、この森を抜ける。
クソ妖精と同じ森に居たくないってのもあるが、まだ知らない世界を見てみたいって気持ちの方が大きい。そして、こんな俺を受け入れてくれる場所を見つける。
よし、大体決まったし、荷物を収納して、出発だ。