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思い出の橋

 帰る途中、美咲が告白した橋に行こうと言ったので、行くことにした。


「そうそう、ここで告白されたんだよねー私」


 美咲は、辺りを見渡す。

 夕日が出ていて、空が赤い。


「そういえば、告白された時もこんな感じで夕焼けが綺麗な日だったなー」


 俺は、夕方に美咲に告白した。

 心を落ち着かせる時間を作るために、夕方に来るように呼び出したのだ。


「ここで、気持ち悪いと思われてるんじゃないかって思いながら告白したんだよな……」


「気持ち悪いなんて思わないって風峰わかってたでしょ?私、そんなこと思う人じゃないよ」


 そうわかっていたが、そう思ってしまったのだ。


「ごめんな……でも、そう思っちゃったんだ……」


「ううん、怒ってないから謝らなくていいよ」


 それから、しばらく二人で夕焼けを見ていた。

 告白した当時も、美咲が泣き止むまで二人で夕焼けを見ていた。


「綺麗だね……」


「ああ……」


 その時、強い風が吹いた。

 一月の風は、身が凍るような寒さだった、

 もう少し一緒に見ていたかったが、風邪をひく前に帰った方が良さそうだ。


「そろそろ行こうか。学校がもうすぐ始まるのに風邪をひいたら大変だ」


「そうだね、じゃあ帰ろっか」


 そして、俺と美咲は、美咲の家の方向に歩き始めた。

 途中に自販機があったので、美咲に缶コーヒーを買ってあげた。


「ほらよ。これ飲んで温めろ」


「ありがと」


 美咲は、俺から缶コーヒーを受け取る。

 そして、缶コーヒーを一口飲む。

 俺も自分の缶コーヒーを開けて、半分ほど飲んだ。

 体が内側から温められ、少し寒さが和らいだ。

 二口目で一気に飲み、空っぽになった缶をゴミ箱に捨てる。

 美咲も飲み終わったようで、缶を捨てる。


「飲み終わったか。じゃあ行こうぜ」


「うん」


 俺と美咲は並んで歩き始めた。

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