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年越し 4
それから、二ターン、三ターンと、俺たちはどんどんゲームを進めていった。
そして、最終的に美咲が一番でゴールした。
「おめでとー!はい、これ一位の人へのプレゼント」
里奈先輩は、ボードゲームが入っていたトートバッグから、白い箱を取り出した。
中には、薄いピンクの色をしたハンカチが入っていた。
「可愛いハンカチですね!ありがとうございます!」
美咲は、それを大切そうにポケットにしまった。
ボードゲームが終わった頃には、すでに十時になっていた。
「あと二時間だね」
美咲は言う。
やることがなかった俺たちは、テレビを見始めた。
十一時半が過ぎた頃、この部屋にいた全員は眠っていた。
暖かい部屋でテレビを見ていたからだろう。
そして、寝たまま都市が変わってしまった。
「んんぅ……。……はっ!」
美咲は目が覚めた。
時刻は、既に夜中の一時だった。
みんなは眠っていた。
起こそうと思ったが、既に一時なので起こしちゃ悪いと思い、起こすのをやめた。
「みんな、あけましておめでとう……」
美咲は、小声でそう呟いた。




