表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/54

年越し 3

「えーっと、次は私だね」


 美咲はサイコロを手に取り、転がす。


「五マスだね。なになに、誰かにいい子いい子と言いながら頭を撫でたら次のマスへ……」


 美咲は俺を見る。

 そして、いきなり俺の頭を撫でてきた。


「いい子いい子……風峰はいい子だよー」


 そろそろいいだろうと思ったが、美咲はやめてくれない。


「も、もういいだろ!恥ずかしいからやめてくれ!」


「はいはい。じゃあ、次は明音ちゃんね」


「はいはーい。えいっ!……四かー。次の番の人と記念撮影。拒否したら二マス戻るだって」


「明音ちゃんの次だから私だねー。それじゃあ、美咲ちゃん撮影よろしくー」


 里奈先輩は携帯を美咲に渡す。

 そして、明音と二人で並ぶ。


「じゃあ撮りますね」


 パシャ、という音が鳴る。


「あら、いい感じに撮れてるじゃない」


 美奈江先輩が写真を見ながら言う。


「ありがとねー明音ちゃん」


「いえ、こちらこそありがとうございます!」


 二人が座り、ゲームは再開した。


「次は私の番だね。よっ!……六か……」


 里奈先輩は俺のことを見てニヤリと笑う。


「はい!風峰くんどうぞ!」


「……好きでーす付き合ってくださーい……」


 俺は、嫌がりながら言った。


「気持ちがこもってないなー。もう一度」


「好きなので付き合ってください!」


「嫌だよ!」


 里奈先輩は、満面の笑みで言う。

 なんか、とてもムカついた。


「あ、そうだ。マスになんて書いてあるか読まないと。なになに、交通事故で怪我。一回休み……」


 告白するとかそういう変なマスしかないのかと思っていたが、普通のマスもあるようだ。


「それじゃあ、次は私ね。……一かぁ……。えっと、次に五を出した人がゲーム中はお兄ちゃん、またはお姉ちゃんだって」


「私の番……。……二だね……。……ヒッチハイクに成功、五マス進む……!」


「次は私ね、……五ね。ってことは……」


 美奈江先輩は秋葉のことを見る。


「……美奈江お姉ちゃん……?」


 美奈江先輩の体が、一瞬ビクッと動いた。


「か、可愛い……!」


 美奈江先輩の目がキラキラ輝いているように見えた。

 そして、二ターン目が始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ