表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/54

デート 1

 俺は、ベッドから体を起こし、着替え始めた。

 今日から冬休み。

 そして、美咲と映画観に行くのだ。

 着替え終わった俺は朝食を食べて、家を出る。


「うっ、寒いな……」


 冷たい風が吹く。

 コートを着てマフラーも巻いている。

 しかし、鼻や耳などには冷たい風が当たる。

 俺は寒い中美咲を待たせないように、急いで集合場所に向かった。



「あっ、風峰ー!」


 駅前の噴水の前に美咲はいた。


「待ったか?」


「ううん、待ってないよ。それより、早く行こうよ!」


 美咲はそう言うと、俺の手を握って走り出した。



「……いい感じだねー」


 里奈と美奈江は、噴水から少し離れた場所から、二人の様子を見ていた。

 不安な美咲を安心させるデートがちゃんとできるかどうか見に来たのだ。


「それじゃあ、私たちも映画館に行きましょ。二人にバレないように」


「なんか私たちもデートしてるみたいだよねー」


「な、何言ってんのよ!私たちは二人の様子を見てるだけだし、そもそも、私たち女じゃない!」


「でも、女同士のカップルっているじゃん?」


「私は嫌よ!同性と付き合うのは!」


 二人はそんな会話をしながら、風峰と美咲にバレないように後を追いかけた。



 風峰と美咲は、真ん中らへんに座っていた。

 そして、後ろの方には、里奈と美奈江が座っていた。


「楽しみだねー」


「ああ、そうだな」


 風峰と美咲は楽しそうに話している。

 そして、それを後ろから見守る里奈と美奈江。


「映画館だと、手をそっと握って、それでキュンとしたりー」


「あー、あれね。あの二人やるのかしら」


 二人がどんなことをするか、見守らながら話す二人。

 数分後、照明が消えた。

 映画が始まるのだ。



「うっ……うう……いい話だった……!」


「ほら、ハンカチ貸すから拭けよ」


 映画で感動して涙を流している美咲に、ハンカチを渡す。


「ありがとう……!ひっく……うぅ……!」


 そして、里奈と美奈江は二人にバレないように反対側の出口から出た。


「よかった……あのカップルが幸せになってよかった……」


「ほら、ハンカチ貸すから、涙を拭きなー」


「里奈……ありがと……!」


 美奈江は、美咲と同じように泣いていた。


「涙拭いたなら、早く二人を追いかけないと」


「そ、そうね!早く追いかけましょう!」


 里奈と美奈江は、再び風峰と美咲を追いかけ始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ