帰りの電車
この話で、この小説の半分が終わりです。
後半は、何個か暗い話があります。
心配、不安だと思う人は、後書きを読んでください。
ネタバレがあるので嫌な人は読まないでください。
春花と秋葉と合流するとコーヒーカップに乗った。
コーヒーカップが回り出す。
真ん中にある回せるやつを、秋葉が勢いよく回す。
コーヒーカップの回転スピードが上がる。
「秋葉ちゃん……!速いよ……」
「それそれー!」
しかし、秋葉は回し続ける。
「ちょ、ちょっと回しすぎ……!目が回るー!」
「ストップ!秋葉ストップ!」
コーヒーカップが終わる頃には、みんなぐったりしていた。
「回しすぎちゃったぁ……えへへ」
秋葉は、俺の膝に倒れてきた。
「秋葉ちゃん回しすぎ……」
「ごめんごめん」
秋葉はそう言うと、俺の方を見てきた。
そして、ニヤリと笑った。
わざとだ。
わざと回しすぎて、調子悪くなったふりをして、俺の膝に倒れるつもりだったんだろう。
「風峰ー、秋葉ちゃーん。早く降りようよー。次乗る人の邪魔になっちゃうよー」
先に降りた美咲は言う。
俺は秋葉を起こすと、カップから降りた。
それから、お昼を食べて、メリーゴーランドとかに乗って、気がついたら夕方になっていた。
暗くなる前に、俺たちは帰ることにした。
帰りの電車のに乗ると、疲れたのか美咲と春香は寝てしまった。
「風峰先輩。美咲先輩に本当のこと言わないんですか?」
秋葉が突然、俺に聞いてきた。
「言うつもりはない。……怖いんだ。振られるのが……」
振られるのが怖いから、真実を隠している。
「私、本当のことを話した方がいいと思うんです。美咲先輩なら、きっと受け入れてくれるはずです……」
「ああ、美咲なら受け入れてくれるだろ。だけど、勇気が出ないんだ……」
美咲なら受け入れてくれる。
そうわかっているのに、言う勇気がなかった。
「このままでも、別にいいだろうって俺は思ってるんだ。このままでも幸せだし……」
「よくないですよ」
秋葉は、きっぱりと言った。
「大好きな彼女に、妹に嘘をつき続けるのがいいことだと思うんですか?風峰先輩は最低です。美咲先輩を信じず、振られるかもしれないって思って真実を隠して……」
秋葉は言う。
その通り、俺は最低だ。
「ん……どうしたの?風峰……秋葉ちゃん……」
俺と秋葉が話していると、美咲が目を覚ました。
「な、なんでもないぞ」
「なんでもないですよ……」
「そう……それならいいけど……」
美咲が起きてしまったので、さっきの話は途中で終わってしまった。
俺だって真実を言いたいんだ。
だけど、振られるのは嫌なのだ。
だから、俺は言いたくない。
このままずっと、真実を隠したい。
ネタバレになってしまうんですが、バッドエンドで終わらせるつもりはありません。
ちゃんとハッピーエンドで終わらせます。




