ババ抜き 2
「私の勝ち……!」
第二回戦は一位が春花、最下位が俺だ。
「風峰、なんか別に問題ないって顔してるね」
春花のことだ。
ひどいことは言わないだろう。
「それじゃあ……風峰先輩は今日だけ私のお兄ちゃん……!」
「え……?」
春花は、今日だけ俺が春花のお兄ちゃんと言った。
いや、実際は毎日春花のお兄ちゃんなんだが、とは言わない。
「え?俺がお兄ちゃん?」
「はい……いや、うん……風峰先輩……風峰お兄ちゃん……!」
可愛い。
とてつもなく可愛い。
だが、そう思っていることをバレないようにする。
春花は身長が高くない。
可愛いと思ってしまったことがバレたららロリコンとか、シスコンと言われてしまうに違いない。
「風峰くん、可愛いって思ったよね?まさか、ロリコン……いや、今は春花ちゃんが風峰くんの妹だからシスコンかな?」
バレた。
俺は慌てて否定した。
「風峰お兄ちゃん……私のこと嫌い?」
否定した俺に、春花は悲しそうな顔をして聞いてきた。
「いや、嫌いじゃないぞ……!」
「よかった……!」
春花は笑顔になる。
しかし、可愛いすぎる。
これでは否定しても説得力がない。
「春花ちゃんに風峰は渡さないよ!」
突然、美咲が俺の腕に抱きついてきた。
「風峰お兄ちゃん……!」
春花は、反対側の腕に抱きつく。
俺は今、妹二人に腕を抱きつかれている。
「モテモテだねぇ。それじゃ、次行くよ!」
美咲と春花は俺の腕から離れる。
そして、第三試合が始まった。




