俺の彼女は妹
初めましての人は初めまして。
知ってる方はこんにちは、Melonです。
今まで暗い話の小説ばかり投稿していたので、今回は明るいラブコメを書くことにしました。
俺には彼女がいる。
彼女はとても可愛いし、周りからも人気だ。
しかし、俺の彼女には俺しか知らない秘密があった。
「風峰ー。一緒に学校行こー」
外から声が聞こえる。
俺は目をこすり、カーテンを開けた。
外の光が眩しかったが、我慢して声のする方を見た。
「風峰ー。あっ!まさか今起きたばっか!?」
そこに立っていたのは俺の彼女、島原美咲だった。
「そうだよ今起きたばっかだよ。今着替えてそっち行くから待ってろ」
そう言うと俺、島原風峰はカーテンを閉めて窓に鍵をかけ、制服に着替え始める。
制服に着替えた俺は、カバンを持って靴を履いて外に出た。
美咲は家の前で待っていた。
「遅いよー!これからはもっと早く起きてよ!」
「お前が早すぎるんだろ……俺の家から学校まで歩いて二十分だぞ……八時半までに着けばいいのになんで七時半にくるんだ?」
「なんでって……風峰に早く会いたいからに決まってるでしょ?」
「なっ……!恥ずかしいからやめろ。そういうことを普通に言うのは……」
「えーなんでー?だって本当のことだしー」
そう言いながら、美咲は俺の腕に抱きついてくる。
「恥ずかしいからやめろ!」
俺は美咲を振り払う。
「いーじゃん別にー」
「よくない!」
こんな感じのやり取りを通学の時に毎回している俺は、学校に着いた頃には疲れてしまう。
美咲は俺の腕に抱きつく、俺はそれを振り払うという攻防戦を繰り広げながら学校に向かって歩いていると、
「お!島原カップルじゃん!おはよー」
後ろから声が聞こえた。
声の主は南明音。
明音はクラスメイトで、一番最初に俺たちのことを島原カップルと呼び始めたやつだ。
「おはよー。明音ちゃん」
「今日も二人でイチャイチャしながら登校?仲良いねー」
明音はニヤニヤしながら言う。
「俺たちはイチャイチャなんかしてないぞ」
俺は否定した。
「えー、でも、さっき美咲ちゃんが風峰の腕に抱きついてたような……」
「抱きつきたくても風峰が振り払っちゃうんだよねー」
「恥ずかしいんだよ……」
彼女に腕を抱きしめられながら登校するなんて恥ずかしすぎて我慢できない。
だから、毎日抱きついてきても振り払っているが、美咲は諦めずに毎日毎日抱きついてくるのだ。
そんな美咲と俺は半年付き合っているが、美咲には俺にしか知らない秘密があった。
数ヶ月前、父さんが急に話があると言い、部屋にいた俺をリビングに呼んだ。
そして、父さんは俺に言ったのだ。
「実は、お前は双子だったんだ……」
俺は生まれてからずっと一人っ子だと思っていたから、この言葉を聞いた時は驚いた。
「お前が一歳の時に俺と母さんが昔離婚したのは知ってるよな?その時、お前の妹は母さんについて行ったんだ。名前は美咲、島原美咲だ。ちなみに、今はこの辺の学校に通ってるらしいんだが、聞いたことないか?」
そう、俺の彼女、島原美咲は俺の妹なのだ。