表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シックス・サーキュレーション  作者: アン=ボミス
Argento :Ciatr
3/4

第一劇「歌姫と水中劇場」

 おや、次はこの物語か、これは私が人魚姫に憧れて書いたラブロマンス。テーマは『恋歌』だよ。

 沈んでいた。


 彼女は、沈んでいた。


 陽の光に照らされた海面から、深い深い、暗い海の底に。


 ━━わ、たし、死ぬ、の?


 もがいても、もがいてももがいても、体がどんどん海の底に沈んでいく。


 死を予感した。こんな状況、近くに誰か居ない限り、一人では助かりっこない。


 ━━うわ、不思議だな。水の中なのに、全然苦しくないや。はは、死ぬ時って、こんなにも苦しくないものなんだな。


 全てを諦めた彼女は、もうすでに光が差さない漆黒の海の底までいて、等々海底に体が着地した。


 辺りを見回しても、暗い、暗過ぎる。


 真っ暗だ。時々不気味な魚達が彼女の上を通過していくが、誰も彼女に興味がないようだ。


 ━━ちゃんと死んだ後にわたしを食べるのかな? あんな恐そうな魚を見ても何にも思わないなんて、こりゃマジで潮時だな。


 もういいや、目を開けてても、所詮不気味な魚達しか映らないなら、もう見る必要もない。


 彼女が目を閉じようとした時、遠くから一つの光の玉が視界に入った。


 ━━? なに?


 その光がどんどんこちらに近付いてくる。そう言えば、光で獲物を誘き寄せる深海魚がいたな、もしかしてそれか?


 そうは思ったが、その光が彼女の近くまで来て、彼女は驚愕した。


 ━━ひ、人? 人が水中でランタン持って海の底を歩い、てる?


「......地上の人かな? こんな海の底まで来るなんて、可哀想に、せめて魚達のエサになる前に弔ってやろう」


 それが、わたし『海束(うみつか) 真鈴(まりん)』と海底人の出会いであった。


〇〇〇〇Ⅰ〇〇〇〇


「まりーん。いい加減出てきなさーい」


「嫌だ~」


 わたしは海束 真鈴(16)。絶賛引きこもり中だ。


 だって、学校に行くのは嫌だ。誰かと話すのも嫌だ。学びたくない事を勉強したくない。


 学校になんて、良いことなんて何一つないよ。


 そんなことより、わたしはネットでイラスト描いてる方が人と関わるより楽しい。


 人と直接話さなくても、こうして絵を投稿するだけで、多くの人と繋がれる、多くの人がわたしの絵を称賛してくれる。


『マリンさんの絵、いつ見ても可愛いです(*´ω`*)』


『このアングルと絶妙なチラリズムが何とも言えません』


『オレ、ロリコンで良かった』


「うひ、うひひひ」


 どぉだ! これがネットの力だ! こんなにも多くの人と繋がれるんだよ! が、たまにこんなコメントも来る。


『このマリンって絵師。いつもロリばかり描いてるよな』


『きっと描いてるのはキモイおっさんだよ』


『きっとネカマだよこいつ』


 ......き、気にしないしぃ、わたしの事を想像でしか語れない荒らしの戯れ言には興味ないしー。


 語るんなら絵の内容、中身を語れよ暇人共が......完全にブーメランだ。


 ピロンッ、


「あ、また来てる」


 わたしは、チャットにコメントが投稿された通知音が聞こえたので、チャットの画面を開くと、そこには『あの人』がいた。


『やぁマリンちゃん。今日も素敵な絵を描いてるね』


 最近ネットで知り合った『S』さん。最初はチャットで知り合って以降、わたしの絵を毎回見てコメントしてくれる絵師さんだ。


 正直どんな人かは知らないけど、この人の絵は、まるでアメコミ風のスタイリッシュな絵を描いていて、何だかんだでその絵に惹かれて、気が付けばこの人とよくチャットのやり取りをするようになったのだ。


『マリンちゃんの絵、今日も可愛くてキュートだね。でもあれだね、そろそろマンネリ化してきてないかい?』


 ガーン!? Sさんにまでこんなこと言われるなんて......むぅ。


『じゃあSさんならどうするんですか?』


『僕? 僕は旅行とかしてイラストのインスピレーションを広げてるかな、マリンちゃんもたまには外に出てみたら?』


『嫌です~お外なんかよりネットサーフィンしてる方がマシです~』


『......そっか、ところで、マリンちゃんってさ、『恋愛』に興味あるかい?』


 は? 恋愛? なんでそんなこと聞くんだ?


「ねぇまりーん。貴女宛の手紙が届いてるわよー」


「え? 手紙?」


 今どき手紙なんて、何処の誰だ? わたしは自分で取りに行くのが嫌なので、お母さんが持ってきてくれるのを待つことにした。


「まったく、いい加減出てきなさいな。手紙、ここに置いておくからね」


 お母さんの足音が離れていくのを確認してから、部屋の前に置いてある手紙を確認する。


 ......! え、Sさん? なんでまた......えーと何々? 『ここに君の名前を書いてほしい。そうすると、君の新たなインスピレーションが手に入るかもしれないよ』


 え? インスピレーション? 何言ってんだろ? さっきも恋愛どうこう言ってたし、Sさんはわたしに何をさせたいんだ?


 ......でも、名前書くだけなら別にいいかな。こんな紙切れで何が起こるんだっての。


 そして、わたしはSさんの手紙に自分の名前を書いた......やっぱ何もないじゃ、!?


「え!? な!?」


 何? 紙が、光って、


 突然紙が光だし、わたしをどんどん包み込んでいく。


「な、ちょ、!? 」


 わたしがその謎の光に包まれる前にパソコンの画面を見ると、そこにはSさんの新たなコメントが来ていた。


『ようこそ、悲恋の水中劇場『アルジェント:シアター』へ』


〇〇〇〇〇Ⅱ〇〇〇〇〇


「う......が!?」


 わたしは目を覚ますと、そこには青い空、波の音、海猫の鳴き声、よりも今は苦しい!? が、は、な、んで、こんなに苦しい......の?


 わたしは苦しみながらも周囲を見渡すと、わたしは今一隻の木製の小舟の上に乗っていて、辺り一面、青い海が広がっていた。


 地平線まで続く海、360度全体を見渡しても陸地が見当たらない。


 それよりも、何なの? この息苦しさは、む、昔、喘息になったことはあるけど、あんなものとは違う、完全に、息が、できない、さ、酸素、ちゃんと空気の中に居るのに、まるで水中の中に居るような息苦しさ。


「だ、れ、かぁ......」


 わたしは鯉みたいに口をパクパクさせて酸素を肺に取り込もうと必死になるが、何故か酸素が体の中に入ってこない。


「い、や、死にたく、な......」


 ドボォン! と、わたしは小舟から身を乗り出して海に落ちた。


 何なんだ、この状況、わたしが何したって言うんだよ......ああ、なんか知らないけど、もう『苦しくないや』。


〇〇〇〇〇Ⅲ〇〇〇〇〇〇


「ん......」


 ? ここは、何処だ? 家? 石造りの家の一室。


「あら、目が覚めたのね」


 部屋の扉から一人の綺麗な女性が現れた......けど、なんだその格好? まるで古代ローマ人のような服装をしているな。


「え、と......」


「あら、覚えてない? 貴女地上から海底に沈んでいたのよ? そこに私の夫が貴女を見付けてここまで運んでくれたの」


「は? 海底?」


 話がよく見えない。海底? 地上?


 なんの事だ? そう思っていると、部屋の窓から小さな魚達が侵入してきた......え!?


「魚が浮いてる!?」


「あら? そりゃそうよ。ここ『水中』なんだから」


「はいぃ?」


 わたしはベッドから起きて窓から外の様子を見ると、


「な、なんじゃこりゃぁ!?」


 水、本当にここは海の中なのか? なのに、なんで『街』があるんだ!?


 古い石造りの街並み、普通に海の中を歩く人々、そして巨大な魚を乗り物にして移動してる人まで居る......訳がわからない、これはファンタジーの世界? もはや思考が追い付かない。


「あ、あのぉ......」


「あ、私は『シルフィ』よ」


「え、と、シルフィさん? ここは一体何なんですか?」


「ここ? ここは水中都市『アルジェント』よ。私達『海底人』が千年前に築き上げた歴史ある街」


「かい......てい......じん?」


 よく判らんが、シルフィさん達『海底人』とやらは、千年近く地上から海の底に移住した人々らしく、『海の魔女』と言う人の力で空水逆転、つまり水中の中でしか呼吸が出来なくなり、体が水中で浮くことはない体を手にしたそうだ。


 何故、地上での生活を捨ててこんな薄暗い海底に?


「......ん? そう言えば、ここ海底なのになんでこの街は明るいんだ?」


「ああ、そりゃ、海の魔女様のお陰だよ」


「あら、お帰りなさいアナタ」


 あ、この人は、わたしを助けてくれたダンディな人。おぼろ気だけど、顔を見ただけで、あれは夢でなかった事が証明された。


 そっか、この人がシルフィさんの旦那様か、ヒューヒュー。


「俺は『ダリー』だ。それにしてもお嬢ちゃん。俺はてっきりお嬢ちゃんは地上の人だと思ったんだが、俺達と同じで普通に水中で息できてるんだな。何処から来たんだい?」


「えーとぉ」


 わたしにもさっぱりだ、が、一つ心当たりがある。


 『S』さんが送ってきたあの手紙。あれが原因なのは間違いないだろう。


 何を意図してこんな事を......。


 Sさんは何者なんだ?


 と、なんか外が騒がしいな。


「あ、うちの『娘』の劇が始まるみたいだ」


「娘?」


〇〇〇〇Ⅳ〇〇〇〇


 わたしはダリーさんと共に街の劇場に向かうと、そこにはすでに大勢の人だかりが出来ており、舞台には一人の少女が立っていた。


「それでは、歌います」


 その少女が歌い出すと、観客達は皆静まり返って、彼女の歌を真剣に聴いていた。


 綺麗だ、透き通るような綺麗な声、ここが本当に水中とは思えないぐらいに、会場全体に響き渡る歌声。


「......あの娘は?」


「うちの娘の『アルジェリカ』だ。あの子はここの歌姫でな」


 歌姫。確かにそう言われたら納得できる。でも何だろう、とても悲しい歌を歌っている気がする。


 あ、よく見たら歌いながら涙を流してる。


「うちの自慢の娘だ......だが、あの娘はここからは出られないんだよ......」


「え?」


 出られない? 唐突だな、出られないとは何なんだ?


 と、ダリーさんはわたしの肩を掴んでわたしに頭を下げた。


「え? えぇ!?」


「なぁ真鈴ちゃん。君が何者か知らないが、それでも君に頼みたい事がある」


「な、なんでしょぉ?」


「......うちの娘、アルジェリカと友達になってくれ!」


〇〇〇〇Ⅴ〇〇〇〇


 講演が終わり、観客達が劇場から出ていくと、アルジェリカは幕裏に向かおうとする。


「よぉ、アルジェリカ。今日も上手かったぞ!」


「パパ......その子は?」


「え、は、う、『海束 真鈴』でしゅっ!?」


 がはっ!? コミュ障発動! シルフィさんとダリーさんの前では普通に話せていたのに、アルジェリカの前だと、なんか緊張する。だって、綺麗なんだもん、


「おう! 今日からお前の新しい友達だ! では頼んだ真鈴ちゃん!」


「え、ちょ!? ダリーさん!?」


「悪い、今から仕事なんだ!」


 仕事って、娘置いてまで行くことなのか? ......わたしのお父さんも、仕事ばかりにかまけていたなぁ。


「......マリンさん?」


「ひゅい!?」


 急に声かけられるとびっくりするじゃんか!?


「え、と、ご、めんなさい?」


「そ、そんな事ないですよぉ! わ、わたし普段から人と話さないので、緊張してるだけでしゅっ!?」


「......ふふ」


 笑われたー!?


 と、アルジェリカはわたしの手を優しく握ってくれた。


「緊張しないで、お話、怖いかもしれないけど、話していけば慣れるわ」


「あ、はい、お手柔らかに......」


 わたしはガッチガチになりながらも、アルジェリカの話に耳を傾けた。


 アルジェリカは、海底人の掟を破ってしまったのが原因で、この劇場から出ることが許されない呪いを海の魔女に掛けられてしまったらしい。


 さっきもダリーさんが言ってた海の魔女ってどんな人なんだ?


 ここの人々を千年前に海底人に変えて、暗い海の底に明かりを灯したり、アルジェリカをこんな所に閉じ込めるなんて......悪い人なのかどうなのか判断に困るな。


「それで、アルジェリカはどんな掟を破ったの?」


「......恋」


「え?」


「ワタシは、恋をしてしまったの......地上の人と」


 こ、恋!? しかも地上の人と!? まるで人魚姫だな。


「なんで、恋をしただけで閉じ込められるの?」


「だって、ワタシ達と地上の人とは、どうあがいても同じ生き方が出来ないわ。そう思った海の魔女様が、ワタシとその地上の人の事を考えて、ワタシに呪いをかけたの......」


 ......海の魔女。許すべからず。大体話を聞く限り、ここの人達を海底人に変えたのもその人じゃん! 何様や! 神様ですか? 


 すると、わたしは気が付いたらアルジェリカを抱き締めていた。


「ま、マリン?」


「わたしも、昔恋をしたことがあるから、アルジェリカの気持ち、痛いほどわかるよ」


「マリン......」


「て、事でその海の魔女に文句言ってくる!」


「ええ!? だ、ダメよ! 魔女様は、ワタシ達の暮らしを支えてくれる偉大な人で......」


「だって! このままじゃアルジェリカが、『友達』が可哀想じゃない! だから行ってくる! それじゃ!」


「あ、マ、マリン! 待って!」


〇〇〇〇Ⅵ〇〇〇〇〇


 う、えぇ、勢いに任せて、近くに居た街の人から魔女が居る場所を尋ねたら、街の北門から出て真っ直ぐ行った所にある丘の上に魔女の家があるそうだけど......街の外暗っ!?


 あ、そっか、ここ海底だからか、街が明るいのも海の魔女のお陰なんだった。


 しかも、なんか闇の中から不気味な魚達がチラホラ見えるんだけど......怖い怖い! 無理無理! 一歩でも出たら、わたしなんて一口だよ! ......ダ、ダリーさんとシルフィさんの家に戻ろぉ。


「あ、居た居た! マリンちゃん、まだ街を出てなかったか! 良かった!」


「あ、ダリーさん。仕事は?」


「んなのどうでもいいよ! 街の連中に聞いたぞ! 一人で魔女様の所に行くってな! 一人で街を出るのは危険だ!」


「いや、だって......」


 セーフ! わたしが今帰ろうとしたことがバレてなくて良かったぁ!


「......俺も、マリンちゃんと同じで魔女様の所に向かったよ。けど、アルジェリカは掟を破ったの一点張りで、ロクに相手にされなかったんだ。マリンちゃんが行ったところで......」


 イラァ。


「じゃあ、ダリーさんはこのままでいいんですか?」


「そんなわけないだろ! でも、どうしようもないだろ......」


「......わかんないじゃん、わかんないじゃん! 行ってみなきゃわかんないじゃん! もしかしたら、今日行ったら何か変わるかもしれない! 今日が無理でも明日なら変わるかもしれない! ちょっと断られたぐらいで娘の将来を諦めるなぁ! 」


「ッ!?」


 はぁ、はぁ、あれ? わたし、今なんて言った? 感情任せに喋ったから覚えてないや......けど、過去にお父さんにも同じような事を言ってた気がする。


「......悪かったな。大の大人が情けないことを、娘の為に必死になれない親は親失格だよな!」


「......あ 」


 ━お父さん! 今日はまりんと遊んでよ!


 ━━悪いなまりん。今日もお父さん仕事なんだ。


 ━じゃあ、お父さんはまりんが一人で遊んで危ない目にあってもいいの!?


 ━━......そんなことないだろ。お前は利口だから、そんな馬鹿な真似はしないと信じてるよ。あ、もうこんな時間だ、行ってきまーす。


 ━お父さん? お父さーん!


 ......結局、わたしのお父さんは娘のわたしの為に必死になってくれた事がなかったなぁ。いつも仕事仕事で、わたしとお母さんを置いて、仕事ばかり、そして等々離婚......あの時のわたしとアルジェリカが重なってしまったのだろう。


 ひとりぼっち(今でもだけど)だったわたしと同じだと感じたから、わたしは海の魔女に会いに行くんだ!


 それに、もしかしたら、元の世界に戻れるかもしれないし。


「よし、んじゃ、行くか!」


「はい!」


〇〇〇〇〇Ⅶ〇〇〇〇〇


 ひょぇぇぇぇ! こっわぁ! わたしはダリーさんの腕にしがみつきながら、魔女の家を目指して、暗い海の底を歩いているのだが、通り過ぎる魚が恐すぎる! なんで深海の魚はみんなグロテスクなんだよぉ! もっと可愛い小魚とか来てくれぇ!


「......マリンちゃん」


「はひゃい!?」


 変な声出た!?


「うちの娘の為に済まないね。マリンちゃんが来なかったら、俺は娘をずっとあんな劇場に閉じ込め続けていたかもしれない」


「......そ、りゃ、アルジェリカはわたしの友達だしぃ、それにわたしは、なんでここに来たのかも知りたい。魔女ならなんでも知ってる可能性があるからね」


「そっか......」


「......ところで、気になってたんですが、その『ランタン』って、どうやって発光してるんですか?」


 わたし達が、こんな暗い海の底を歩けているのも、ダリーさんが持っているランタンが暗闇を照らしてくれているお陰なのだが、ここは水中、ランタンを灯す火種なんか使えるわけがない、じゃあなんだ?


「ん? 知らないのかい? これ、中に『クラゲ』が入ってるんだよ?」


「クラゲ?」


 わたしがランタンの中を覗くと、確かにいる、クラゲが発光している。何なんだこれ?


「『オワンクラゲ』と言って、とても生命力が強くて、殆ど動くことがない奴だから、飼育が簡単なんだ。そして、こうしてランタンを揺らして刺激を与えると発光するから、街の外に出る時はこいつは必需品なんだよ」


「へー」


 発光するクラゲ、ホタルと同じ......えーと、生物発光だっけ? GFP(緑色蛍光タンパク質)がイクオリン(発光タンパク質)から励起(れいき)エネルギーを受けて緑色の蛍光をする『フォルスター型エネルギー転移』だったかな?


 まぁ、緑色と言っても青色発光(バイオルネミセンス)だが......わたしが知ってるオワンクラゲの発光量よりも、このオワンクラゲの発光量はランタン並かそれ以上の発光をしてるな。


 なんでこんなに明るいんだ?


 そもそも、さっきから通過する大型の魚達は、なんでわたし達を襲わないんだろぉ?


「お、見えた、あれだよ」


 と、想っていたら無事に到着。


 あれが、魔女の家、小さな丘の上にそびえ立つ小さな小屋みたいで、カボチャみたいな丸い家だ。


 取り合えずダリーさんがノックして居るかどうか確認する。


「魔女様ー! ダリーです! アルジェリカの件で訪れましたー!」


「......」


 居ない? と、思ったが。


「ダリーかい。何度も言うがアルジェリカの件は諦めな」


 てっきり老婆のような声が返ってきたと思ったが、なんか、若々しい声だな。


「あの娘は地上人に恋をした。それは立派な罪」


「......」


「分かるだろ? 確かにあたしの力で、あの娘を地上でも生活できるようにしてやることは出来る。だが、そんな事をしたら他の連中はどうだ? 地上に興味を持った連中が、こぞってあたしの元に来る。それを避けなければならん」


「で、でしたら、せめてあの劇場からだけでも出してやって下さい! もう二度と地上に行かないように言い聞かせますから!」


「ダメだね。恋を知った、それだけで、あの娘はいくら時が経っても必ず地上に向かおうとする。ダリー、あんたも経験あるはずだ。恋ってのはね、そう簡単には消えないんだよ。恋は勢いある炎と同じだ。ま、あんたらは炎なんか知らないだろうけどね」


「.....くっ!」


 さすがにこのままではマズイ! わたしが魔女に抗議しようとした矢先━━━━


「おや? 珍しい客が居るね。お嬢ちゃん、あんただけは入ってもいいよ」


「え!?」


 なんでわたしが居ることが判ったんだ? まだ何も言ってないのに。


「......すまねぇマリンちゃん。後は任せた」


「......うん」


 わたしは一人で魔女の家に入った。するとそこは、大量の本が乱雑に置かれた部屋、その中に位置する椅子に腰......かけ......た、


「ぶっ!? が、は、!?」


 な!? 息ができない!? 


「おやおや、これでどうだい?」


「ぷは!? はぁ......はぁ......」


 な、なんだ今の? 一体何が......。


「そりゃそうよ。この部屋だけが水中じゃないからね」


「え?」


「初めましてお嬢ちゃん。あたしが『海の魔女』だ」


 ......若っ!?


 千年前から存在してるって言うから、どんなBBAかと思ったが、黒いローブを着た見た目30代ぐらいの人だ。


「ふふ、驚いた? 魔法で若さを保ってるのよ。さてお嬢ちゃん名前は?」


「......『海束 真鈴』、です」


「......はぁ、また『彼』が外の世界の奴を寄越したのかい。まったく、誰が来ても『あの結末』は変わらないって言うのに......」


 彼?


「彼って誰です?」


「『アン=ボミス』よ。あなた、彼に頼まれてこの世界に来たんでしょ?」


「?」


 アン......ボミス......? 誰それ?


 わたしの反応を見て海の魔女は驚いた顔をする。


「あれ? なんだい、あんた彼の差し金じゃないのかい? じゃあどうやってこの世界に来たんだい?」


「それは━━」


 わたしは魔女にここに来た経緯を話した。


 Sさんが送ってきた謎の紙切れに名前を書いたら、こんな所に居て、ダリーさんに拾われて、アルジェリカの呪いを解いて貰うついでに元の世界に帰る方法など、ここに来た経緯と目的をありのままに魔女に伝えた。


 すると、魔女は少し沈黙した後に答えてくれた。


「......もう、何回目かね。あんたみたいな『主人公』を目にするのは」


「え?」


「お嬢ちゃん。アルジェリカの呪いを解いてあげることは出来ないし、お嬢ちゃんを元の世界に帰す手段は今はない。だが、ここがどういう所かだけ教えてあげよう。聞き漏らしても、もう話さないからね」


 魔女が言うには、ここは小説家『アン=ボミス』が生み出した存在しない世界。


 わたしはその『主人公』として召還されたそうだ。


「し、しかも......なんですか? そのアン=ボミスが書いた小説全てが『BAD END』だなんて......それじゃ、ダリーさん、シルフィさん、アルジェリカはどうなるの?」


「......すまないね。あたしからはどんな結末を迎えるのかまでは話せない。けどね、嬢ちゃんはいずれくる最悪な未来に立ち向かわなければならないのは確かだ」


「い、いやいやいや! わたし唯の引きこもりだよ!? そんなわたしに......あ」


 待てよ? 過去にもわたしのような主人公が召還され、誰一人最悪な結末を変えられなかった。じゃあ、その前の主人公達はどうなったんだ?


「気づいたかい? そうさね。この物語がBAD ENDに到達したら、物語は全て最初の1ページ目までリセットされてしまう。だから、過去の主人公の活躍なんて、誰も覚えてないのさ。あたしを除いてね」


「そ......んな......じゃあ、前の主人公の人達はどうなったの!?」


「......さぁねぇ、そこまでは知らない、この世界には居ないようだから、元の世界に戻ったんじゃないかい? それか......消滅したか」


「え?」


「ま、あたしにはどうでもいい話さね。あんたも結末を変えられなかったら、また物語は最初に戻るだけの話だしね......怖いかい?」


「あ、当たり前じゃん! わたしなんかに何が出来るのさ!」


「......けどね。結末を変えない限り、あんたやアルジェリカだけじゃない。この世界の住人全てが不幸になる結末を何度も繰り返すこととなる。本人達は覚えてないけどね。それが唯一の救いでもあるか......一つ聞くが、確かあんたらの世界には『げぇむ』ってのがあるそうだね?」


「......前の人が言ってたんですか?」


「ああそうさ、げぇむも小説も、いくら精巧に綿密に登場人物を描かれていても、いくらストーリー性、世界観があろうと、全てが紛い物。人の手によって作られた創作物、あたしも、この世界全てね。そんな紛い物の、『架空の世界』の結末になんて、あんたにはどうでもいいだろ?」


「......っ!」


 紛い物、確かに、この世界も、目の前の魔女も、アルジェリカやあの街の人々、全てが作られたもの、存在しないもの、ただ読者を楽しませるだけに生み出された架空の住人達。


「......お嬢ちゃん。アルジェリカの事は諦めて、あんたはあの街で、この世界の結末を黙って迎えていなさいな。その方が楽だろ? 消える可能性があるが、そっちの方が楽に元の世界に帰れるだ。分かったらもう戻りなさい。もうここに来るんじゃないよ」


「......ざけんな」


「ん?」


「ふざけんな! 何が架空だ! ふざけんな! あなたも、アルジェリカも、街の人達も、確かにわたしから言わせたら創作物かもしれない、だからなんだ! 架空だろうが創作だろうが、今ここに居ることには代わりないだろ!」


「ほぉ」


「わたしも、普段から絵を描いてるけど、ただ描いてるんじゃない、一枚の紙に命を吹き込むつもりで描いてんだ! まぁわたしデジタル絵だけどね!」


 そうだよ、生きてるんだ、架空、創作、存在しないけど、でも彼等はちゃんと物語の中で生きてるんだ! あぁ、もう、うじうじしてる自分に嫌気が差す。引きこもりとかで嘆いてる場合じゃない、わたしがこの物語の主人公なら、この物語を『HAPPY END』へと導いてやる!


「......そんなことを言ってくれる人は初めてだね。そんなあなたに敬意を称して、この力を授けよう」


 そう言うと、魔女は一枚の紙と万年筆をわたしに渡してくれた。


「これは?」


「あんたの創作に対する『愛』の深さを知った、その餞別さね。その紙に『新たな登場人物』を描きなさい。それがあなたの力となるだろう」


「新たな......登場人物......」


 つまり、この紙に登場人物を描いたら、それが実体化すると? にわかに信じがたいが、ここは小説、ファンタジーの世界、だったらなんら不思議でもないな。


「よく考えて描きな、それ一回しか使えないからね。その紙は水中でも溶けないし、その万年筆も水中でも書くことが出来るから持ち帰ってもいいわよ。 」


 新たな登場人物。この紙に......よし!


「分かりました! それじゃ、他にも色々と教えてください!」


「なんだい?」


「アルジェリカが恋をした相手はどんな相手なの? それに、何故魔女さんは、街の人達を海底人に変えたのですか?」


「......それは、自分で調べなさい」


 あれ!? この人いい人だと思ったのに、な、何故?


「あのね。所詮あたしは中立なの。あくまでもあたしの役目は、この物語の結末を見守り続けるだけ、それにそう言うのは主人公(あなた)の仕事でしょ?」


 む、うぅ、てっきり何でもかんでも教えてくれると思ったのに、さすがに人生そこまで甘くないよ。


「そうさね。アルジェリカに直接聞きなさい。そしたら、何故あたしがあの子に呪いを掛けてまで地上人と関わらないようにしたのか判るから。さ、そろそろダリーの坊主が待ちくたびれてる頃さね」


 ......あ、ダリーさんの事忘れてた。


 さて、またあの不気味な海底を歩くのは嫌だが、まずはアルジェリカの元に戻ろう、うん。


「あ、忘れてた」


 と、わたしが玄関の扉に手を掛けようとした時に魔女はわたしの額に軽く手を触れると、


「? ......!? ぶっ!?」


 ちょ!? 息が!?


「そのまま外に出たら溺れてしまう上に水圧でぺしゃんこになってしまうわ、これで外に出てもいいわよ」


 むぐぅ!! それ先に言ってよぉ!!


 く、苦しいぃぃぃぃ!


 わたしは急いで魔女の家を出る事にしたのであった。


「......今回の主人公は、とても創作に対する愛に溢れた奴で良かったわ。お嬢ちゃん、あなたならこの物語を変えてくれると信じてるわよ」


〇〇〇〇〇Ⅷ〇〇〇〇〇


 あ、あの魔女、絶対にサドの素質があるよ。


 こ、こっちの世界にも別の『S』さんが居たとは......わたしはダリーさんと共にアルジェリカが待っている劇場へと向かい、ダリーさんはまた仕事へと戻っていった。


 ダリーさんは、街では貝や珊瑚(さんご)を加工してアクセサリーにして販売する職人さんだった。


 結構人気だから、本当は仕事を抜け出す余裕すらないそうだ。それなのにわたしに付いて来てくれるなんて、いい人だ。


 わたしは一人で劇場の扉を開けると、ステージに腰を下ろし、小魚達と戯れるアルジェリカがそこに居た。


 魚と言えば、やはり警戒心が強い筈なのに、あんなになつかれてる......やばい、今すぐこの光景を絵に描きたい! だって神秘的すぎるもん! おおっ、創作モード発動! すぐに描いてや━━


 ━━よく考えて描きな、この紙は一回しか使えないから。


「はぁう!?」


 あ、あぶねぇ、こんな大事な魔法の紙を無駄使いするところだったぁ。


 でも、アルジェリカが二人.......ふひ、ふひひひ、妄想がなんかヤバイ。


「あ! マリン!」


「おひゃあ!? 」


 だ、だから急に話し掛けられるとびっくりするっつーの!


「マリン、魔女様はなんて言ってたの?」


 アルジェリカがわたしの元に近付いて手を握ってくれた......暖かい、ちゃんと体温があるじゃん。このアルジェリカも、本当は創作物なんだろうけど、でも確かにここに居る。


 わたしは、目の前の友達の結末を変える為にも、まずアルジェリカの恋の相手について知ろうと思った。


「アルジェリカ、教えてほしいの。アルジェリカが恋をした相手はどんな人なの?」


「え? う、て、照れるなぁ~」


「ノロケはいいから、はよ!」


〇〇〇〇〇〇Ⅸ〇〇〇〇〇


 あれは、ワタシが地上に一人で向かって泳いでいた時だったわ、ずっと前から外の世界に興味があって、それがいけないことだと判っていても、どうして好奇心が勝ってしまって、もう少しで海面に辿り着くところで、ワタシは激しい海流に飲み込まれてしまったの。


 とても恐かったわ、自分が何処に飛ばされるか判らない恐怖で頭がイッパイで、もう二度とパパとママ、街の人達や魔女様にもう会えないんだと思って、もう全てを諦めようとした時に、彼に出会ったの。


「船長! 大変だ、人だ! 人が溺れてる!」


 ワタシは海流に飛ばされ迷子になっていたところで、彼が乗っていた大きな乗り物......たしか『船』と言うものだったかしら、に出会ったの。


「待ってろ、今助けてやる!」


 そして、彼は船から飛び降りてワタシを助けようとしたの。魔女様は地上の人は欲望の為なら平気で他者を傷付ける恐ろしい存在。


 もし、海底人の存在を知ったら何をしでかすか判らない野蛮な生き物。そう言っていたけど、ワタシの元にやって来た彼は、とてもそんな恐ろしくて野蛮な存在には見えなかった。


 とても穏やかで優しい目。パパにそっくりな顔立ち、歳はワタシと同じくらいだと思う。


「......!? ん、ん~~!!」


 そこで彼は、ワタシに『キス』をしてくれたの。


〇〇〇〇〇Ⅹ〇〇〇〇〇


「は!? キス!?」


 て、いや待てよ。たぶんキスと言うより、人工呼吸をしようとしたのか?


 アルジェリカが海底人と知らず、海で溺れている人を助けたい一心でそのような行動に出たのかも......これだけなら、別に悪い人には思えないな。


「その後、彼はワタシを海面まで引き上げてくれたんだけど、空気の中では息が出来ないワタシにとっては、とても苦しかった......けど、彼はまたもやワタシにキスをしてくれたの♥」


 ......どんだけ必死に助けようとしてたんだろ?


「で? その後どうしたの?」


「そうねぇ、あれだけ激しくキスされたのは嬉しかった。でも、ワタシは苦しくなって、彼を振りほどいて水中に潜って、彼と別れてしまったわ......あんなに優しくて情熱的な人、初めてで、その後もワタシの頭の中は彼でイッパイになってしまって......ポッ」


 ノロケ乙、リア充爆発しろ。


 なぁんて、友達相手にそんな事思わないよ......本当だよ?


「そして、数日後に魔女様がワタシを見付けてくれたわ。さすがに怒られたけど......まさかここまでされるとは思わなかったなぁ」


「......ふ、ふーん、そうかぁ」


 これだけ? これではただのノロケ話だ。まぁロマンチックと言えばそうだが......。


「ねぇ、その地上の人って、どんな人か判る?」


「うーん、顔は覚えてるけど、名前は知らないし、何をしてる人かまでは知らないけど、魔女様は、あの男は地上人の中でも『海の蛮族』に身を置く者だって、全然そうは見えなかったなぁ」


 海の蛮族? なんだそれ? 海の、船、蛮族、族、賊? ......!? お、おいおい、まさかそれって!


「海賊!?」


「て、なぁに?」


 あー? この娘、海賊知らんのか!?


「海賊ってのはね! かくかくしかじか!」


「えぇ!? そんな......まっさか~」


 どんだけ頭の中はお花満開なんだよ!?


 海賊、絶対にヤバイやつじゃん! だから魔女はアルジェリカに呪いをかけたのか! 確かに、こんな能天気お花畑箱入り娘を海賊に会わせるのは不味いな......でも、Happy endにする決意を固めたしなー。うーん、そもそも、アルジェリカを助けようとした海賊の人はどんな人なんだ? それが判らない以上はなんとも......魔女に頼むか? 


 でも教えてくれないだろうなぁ.....あ、そうだ。


「? それは何?」


「魔女から貰った紙と万年筆」


「? かみ? まんねんひつ?」


 だいたい判った、この物語をHappy endにするには、アルジェリカの恋を叶えてやることだ! その為には、アルジェリカを助けようとした海賊の人がどんな人か知ること、地上人と海底人の壁をどちらかが越える事、この二つがHappy endに繋がると見た!


 だから描いてやる、それらをクリアしてくれるような『登場人物』を、絶対に悲恋、BAD ENDな展開を覆してやる!


 わたしは、決意を新たに万年筆を走らせた。この物語を変える為に、全てを覆してくれるヒーローを作るために!


〇〇〇〇〇ⅩⅠ〇〇〇〇〇


「やっと決意を固めてくれたかマリンちゃん。良かった良かった。君は人と話すのが嫌いと喚いていたが、創作の中では実に『饒舌』に喋るじゃないか。それだけ、創作を愛しているんだろう、君を選んで良かった、ん?」


 プルルルル、プルルルル、ガチャッ


 こちら、エージェントS。あぁ、無事に『海束 真鈴』を『アルジェント:シアター』の世界に送る事に成功した。


 なんせ相手は引きこもりだからな、直接会うのは厳しい、だから彼女の好きな絵を『エサ』にさせてもらった。


 こんなことを本人に言ったら怒られそうだな.....:あぁ、あぁ、安心しろって、せっかちだな。次は『霧裂(きりさき) 丈啓(じょうけい)』だろ? こっちは引きこもり以前に人として危険すぎるからな、こちらも慎重に接触するさ。


 ......了解、それじゃ切るぞ。


 ガチャッ、ツー、ツー。


「......霧裂ねぇ、お前みたいな人間のクズには、六つの世界の中でも一番最悪な世界に送ってやるよ。最悪には最悪がお似合いだ、ふふ、ははははは」



 第二劇に続く。


【アルジェント:シアター】


 千年前、戦争によって、地上に行き場を失った者達を『海の魔女』が海底人に変えて、海底に彼等の居場所を与え、発展していった街『アルジェント』で、海底人の少女『アルジェリカ』が好奇心で地上に向かい、そこで出会った地上の青年に恋に落ちてしまう。


 だが、その恋が海底都市『アルジェント』に災厄をもたらすことは、誰も知るよしがなかった。

 果たして、アルジェリカは地上の青年との禁断の恋を叶えられるのか。


 と、言ったラブロマンスだよ。私も若い頃は何度も恋を経験したが、結局、生涯の伴侶となる人には出会えなかった、出会えても、みんな私を置いて遠くに行ってしまったがね。


 その時の私の悲しみが、こんな水中世界を作ってしまったのだろう。


 それにしても『海束 真鈴』君、君は創作に対する姿勢が、とても素晴らしい。私なんかよりよっぽどね。


 では諸君、次の物語で会おう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ