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うろな駅係員の先の見えない日常  作者: おじぃ
駅係員たちの日常編
9/120

改札業務 (後書きにうろな北線のごあんない)

 洋忠から業務を引き継いだ8時25分からラッシュが落ち着く9時頃まで、改札口の人の流れは殆ど途絶えず、有人改札も列車が到着する度に列ができて対応に大忙しだった。特にうろな本線の桃源郷方面はこの時間帯だと2、3分間隔で運行されるため、ホームからの階段や自動改札機前は渋滞が発生する。


 改札口での業務内容は、旅客のきっぷの確認や精算、ICカードの処理やチャージ、駅周辺の道や施設等の案内、不正利用者の身柄確保など多岐にわたる。


「ふぅ、やっと落ち着いたかな~」


 エレナは思わず額を拭い、溜め息をついた。


「うろなって前からこんなに混んでたんですか?」


「ううん、なんだか最近急に人口とか会社とか増えて。だからうちの会社も新型車両とか駅の再開発計画なんかも立ち上げたりして。予算大丈夫なのかしら?」


「さぁ。そういえば今度うろな線が15両になるってホントですか?」


「うん、本当みたい。新車は最初から10両と5両の編成を連結して需要に合わせて両数を変えるみたい。で、新車に追い出された古い電車は10両から5両に組み換えて、しばらくは残った古い10両の電車に増結して使うみたい。でもうちの会社は新車入れたら古い電車は全部置き換えちゃうから、駅とか線路沿いはマニアでごった返すかもね~」


「あぁ~、マニアですか~。重要な利害関係者ステークホルダーですけど、ホームで三脚立てたり、夜はシャッター焚いて運転士の目を撹乱させたり、他のお客さまを邪魔者扱いしたり、マナー悪い人も結構居ますからね。これから大変になりそう」


「あぁ、また悪夢が…。3月に貨物列車が通るようになった時も大変だった」


「人口増加でスーパーとかホームセンターの品薄が続いて急きょ新設したんでしたっけ」


「うん。イマドキ機関車は珍しいからね。コアなファンが詰め掛けて大変だった」


「おつかれさまでした」


「古い電車がなくなる時は、一緒にがんばろうね」


「はい…。ってかその頃って行谷なめがやさん車掌じゃないですか?」


「あーそうかもねー。じゃあ私が古い電車に乗務する時はよろしくね」


「そうきたか」


「鉄道の仕事は駅だけじゃないのだぁー」


「だぁー」


「ふふっ、なにマネしてんのよー」


「なんかツボりました」


「そう。私が車掌になってもよろしくね」


「はい!」


 そうか、まだいつだかわかんないけど、行谷さん居なくなっちゃうんだ。うろな支社管内だから乗務する電車は殆どここ通るけど、寂しいな。『殆ど』というのは、俺の借りてるマンションの最寄り駅であるうろな町東部の海浜公園駅から、うろな町北部の森林地帯へ向かう『海浜森林線』という、うろな支社管内で唯一うろな駅を通らない路線があり、その担当になったら顔を合わせる機会がほぼなくなってしまう。


 海浜森林線はうろな駅を通るうろな南線とうろな北線のバイパス路線で、これら三路線が繋がってうろな町を環状している。いわゆる『都市圏環状線群』と呼ばれるものだ。


 さて、次はホームに立って監視および案内業務だ。



 ご覧いただき本当にありがとうございます!


 ここで需要の高いうろな北線についてご案内いたします。


 起点はうろな駅。そこから北へ向かい、約3分、3キロメートル先に北うろな駅、その先は各駅約4分で、うろな山下やましたの順に停車し、山を掘ったトンネルを抜けます。この先がうろな町内であるかはディライトさんに委ねるものとなります。


 また、うろな町内であるかは別として、うろな峠、うろな森林、うろな湖、終点のうろな温泉と続きます。

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