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うろな駅係員の先の見えない日常  作者: おじぃ
咲月と鯨の恋愛編
78/120

ぐったり筆記試験

 ハァー、ハァー、ハァー、ハァー……。


 16時過ぎ、一日目全ての試験項目を終えた僕は息切れしていた。キツいとは聞いていたけど、まさか筆記試験で息切れを起こすなんて。どの項目も設問が非常に多く、筆を休める暇がないどころか到底全問解答できるものではなかった。今日一日何をこなしたなんて殆ど覚えておらず、昼食の駅弁のようなものが心に沁みたのだけはよく覚えている。


 里芋の煮物、美味しかったなぁ……。


 はぁ、僕は企業をナメていたようだ。筆記試験でさえどんな内容だったか記憶する余地もないくらい厳しいのだから、面接では何を問われるのだろう。明日への不安をずっしり背負い、支社のビルを出た。


「おつかれー。キツかったね」


 ビルを出るとすぐに同行している久里浜さんが話しかけてきたが、僕はうん、と一言返事するのが精一杯だった。


「なんか色々試された感じ。学力とか処理能力とか観察力とか。学力試すだけだったら一日かけて筆記試験なんかやらないもね」


 そう、恐らく学力のみを試されたのではない。学校で習うものも習わないものも大量に出題された。久里浜さんが述べたもののほか、ひらめき力と推理力、無理難題に立ち向かう直向ひたむきさなど、かなり多くの潜在能力を推し量られたようだ。


『まもなく4番線に〜、快速ウィンディー、湯海ゆのうみ行きが到着いたします。黄色い線の内側にお下がりください』


 うろな駅のホームまで辿り着き、見慣れた電車が目の前に停車してドアが開く。これを動かす一員になるには、今日の試験を突破していなければならない。


 疲れきって身をコントロールできなくなった僕らは、四人ボックスの脇にある二人掛けの座席で電車に揺られるまま肩を寄せ合い、ぐっすり眠った。咲月さん、今日だけは許してください。

 お読みいただき誠にありがとうございます!


 いつも更新遅くなりまして申し訳ございません。


 次回は面接試験をお送りいたします。

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