表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うろな駅係員の先の見えない日常  作者: おじぃ
咲月と鯨の恋愛編
57/120

彼との出逢いは10年前

 片瀬咲月、27歳。現在は大規模鉄道事業者の日本総合鉄道うろな支社の人事部にて社員の新規採用や教育を担当している。同僚は私を姉さんとか姉御などと呼び、親しみをもって接してくれている。そんな同僚からは早く結婚しないと三十路だぞなどと心配され、その度に彼の顔が脳裏に蘇る。


 社員名簿に記載されている鵠沼鯨くげぬまくじらという名前。26歳の彼は現在うろな高原運輸区で列車防護要員、つまり車掌をしている。彼こそが今も10年前も、私の掛け替えない恋人なのだ。


 ◇◇◇


 彼との出逢いは10年前、高校二年生の4月。鯨という名前に似合わずいわしのようにひょろっとした背の低い彼は、場違いとも言えそうな陸上部に入部してきた。場違いだとしても折角入部してくれた可愛い後輩。私がしっかり育てようと意気込んだ。


 鯨の話によると、彼は今まで学校の体育以外では殆ど運動をしておらず、体力をつけたくて入部したという。


「おい鵠沼あ! チンタラしてんじゃねぇぞ! そんなんじゃ走ってるとは言えねえぞ!」


 しかしウォーミングアップで息切れする鯨を他の男子部員は良く思わなかった。鯨は野次を飛ばされる度に息切れによりフラフラしながらすみませんと謝っていた。


「ちょっと! そんな言い方ないでしょ! 鵠沼くんだって一所懸命なんだから!」


「俺はプロを目指してんだ! 女は黙ってろ!」


 私は特に部長候補である同級生のこの男子が気に入らず、毎日のように喧嘩していた。このまま男子に任せていたら鯨はきっと退部してしまう。そんなの勿体無い。


 だって走るのって、すっごく楽しくてすっごく気持ちいいから!


 今はすぐに息切れしちゃう鯨にも、走る楽しさを知ってもらいたい。私はそんな気持ちから、積極的に鯨との距離を縮めるようになったのだ。

 ご覧いただき誠にありがとうございます!


 久しぶりの連日更新となりました!


 果たして鯨はどんな人物なのか、二人の恋の行方をお楽しみください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ