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うろな駅係員の先の見えない日常  作者: おじぃ
駅係員たちの日常編
46/120

同時トラブル発生

「なんかあったんですか!?」


 芹沢さんの狼狽は尋常じゃない。何か相当ヤバいことが起きている。それだけは俺も理解できた。


『業務放送業務放送、何か状況を把握している社員は至急構内放送願います』


 他のホームでも社員がしきりに放送を流したり駆け回ったりしている。


 ここから最も離れた8番線ではうろな北線の電車が進行方向後ろ寄りの1、2号車ホームから完全に出ず停車している。それ自体は付近の列車が『防護無線』という危険を報せる信号を発報した場合によく見られる事象で、正直なところ日常的に発生している。問題は危険の内容がどのようなものであるかだ。


「この辺走ってる電車と指令との間で連絡が取れなくなっちゃったんだよぉ! いま当該列車の車掌がケータイからうちの事務室と指令室に電話したらしいんだけど、電車は無線が使えないらしいんだ!」


「マジっすか!? じゃあいま止まってる電車って…」


「防護無線じゃなくて運転士の自己判断で止まってるんだ。無線が使えない以上は運転できないからね。いつ復旧するかも予測不能だよ。地下鉄もついさっき中央公園の真下くらいの位置でコンクリートに亀裂が入って水が噴き出して大変なことになってるから振替輸送はできない」


 これは大変だ。俺たちは情報収集のため本屋の改札口裏へ戻ると、エレナさんがちょうど固定電話の受話器を下ろしたところだった。


「いま指令室にコンタクト取ったんだけど、この駅周辺の電車だけ指令室と連絡が取れないみたい」


「なんすかそれ?」


 無線は名の通り回線を用いない連絡手段。この一帯だけそれが使えないとなると、近所で妨害電波かそれに近いものが発生したと考えられる。それに加えて地下鉄ではコンクリートに亀裂。


 一体この町で何が起きているだろうか。俺たちはこの後、奇妙でとても信じ難く受け入れ難い情報をキャッチすることとなる。


 ご覧いただき本当にありがとうございます!


 鉄道2社が麻痺してまいりました。ここでどのような対応を採るかにより会社の性格が見えてきたり…。

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