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うろな駅係員の先の見えない日常  作者: おじぃ
駅係員たちの日常編
23/120

チャンスは突然に

「「いただきまーす」」


 6時00分。成夢とエレナは老婆の手当てとマニアと老婆が衝突した経緯を記した報告書の作成を終え、1時間遅れの朝食タイム。いただきますの手合わせは息ピッタリだ。今朝はエレナがつくったライスと数種類のパウダー系チーズに、シメジとマッシュルームが入ったリゾットだ。ドリンクはビタミンCを補給してカラダを目覚めさせるオレンジジュース。


 成夢はカレースプーン山盛りのリゾットを口に含み、よく味わってから飲み込んだ。


「美味いっすね!」


「ふふっ、レトルト食品の真似だけどね」


「でもエレナさんのハートが篭ってますから」


「大辻くんって、ギザな台詞好きだよね」


「そうですか?」


 成夢としてはごく自然な会話の流れなので、特にギザという意識はなかった。


「そうよ~。きのう紅茶淹れたときだって…」


「あぁ、アレですね。言われてみれば、俺って結構そういうの平気で言っちゃうような…」


「ロマンチストなんだね」


 成夢は微笑むエレナに目を合わせられず、彼女の胸元に目を遣ったら、それはそれで気恥ずかしくなり、綺麗な女性を相手に面接試験で用いる常套手段は使えないと学んだ。


「ロマンがなきゃやってらんないですよ。色々と」


「男の人ってよくそう言うよね」


「いつまでも童心ですから」


「こどもみたいな遊び心は大事だよね。じゃあ新型特急の開発に携わってみる?」


「え? 駅員なのに?」


 何の脈絡もなく言われた内容は無茶振りのような気もしている成夢であるが、さほど驚きはしなかった。


「うん。メカニックは専門家がやるけど、インテリアのアイディアを出すくらいならできるよ。私も参加するし」


「マジすか!? じゃあやってみます!」


 何か革命的なことをしたいという入社する際の志望動機と、少しの下心が成夢の情熱に火を点けた。


「うん! 一緒にがんばろう♪」


「はい!」


 ビジネスチャンスはいつどこで舞い込むかわからないものであるが、まさか朝食でそれを得るとは想定外の成夢であった。

 ご覧いただき本当にありがとうございます!


 仕事は急展開の連続ですが、新型特急の開発経緯は少し先のお話になりそうです。

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