クレーム
時間を遡り16時40分。エレナは窓口で気弱そうな初老の男性客にオーダーされた明日分の自由席特急券を発券した。
「券を買えば定期券でも特急に乗れるなんて知らなくてねぇ、さきほど桃源郷から戻ったときにホームに立っていた駅員さんに教えてもらったら呆れられてしまいまして。私は常識知らずでした。ハハハハハ」
気弱に語る男性客。エレナの脳裏にある社員が浮かび、気が沈んだ。
「常識知らずだなんてとんでもございません! 社員がご無礼を働いてしまったようで、本当に申し訳ございません」
エレナは誠心誠意、男性客に深々と頭を下げて仲間の無礼を詫びた。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいなのだ。
続いて長距離きっぷを買いに来たワイシャツ姿の男性客も不満げな様子。
「ねぇ、上福岡ってどうやって行くの? さっきホームに立ってた若い人に訊いてもわかんなかったんだけど」
「佐用でございますか。申し訳ございません。上福岡は〇〇駅から〇〇線にお乗り換えいただきまして、池袋駅から東武東上線をご利用ください」
「ふぅん。あなたは知ってるのね」
「この度は社員の不手際でご迷惑おかけいたしました」
連続で不快な声を承ったエレナは疲労感に見舞われて窓口業務を終えた。
ご覧いただき本当にありがとうございます!
久しぶりに短いお話にしましたw
新設されたとウワサの掲示板が見れない⇒天気チェックできない。
でもその前にリアルタイムに追い付いてない!
こうしてリアルに近い物語を書いていると、一日で結構色々なことが起きているのだと感じます。自分の他の作品と違って小説っぽい仕上がりになっているような…?
あと、この物語は大人をメインに置いているので、ドタバタコメディーのみではなくオトナな展開も書けたらいいな~とか考えています。
最後にお知らせですが、第3話を編集し、鉄道車両のカラーリングを追加しました。