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うろな駅係員の先の見えない日常  作者: おじぃ
駅係員たちの日常編
15/120

不穏

 うろな駅には正社員、契約社員、アルバイト社員を含む100名ほどの社員が在籍している。


「まもなく4番線から特別急行『かたりべ17号』、寝姿ねすがた行きが発車いたします。次は新うろなに停車いたします」


 雨のせいで普段より早く薄暗くなった16時30分。監視台に立って発車メロディーを鳴らしながら放送する理一も、うろな駅の仲間である。


「あのぉ、駅員さん? ちょっと訊きたいんですけれど、『かたりべ』って、定期券で乗れますか?」


 黒いスーツと青いネクタイ姿の気の弱そうな初老の男性客が、監視台に立つ理一を見上げながら訊ねた。


「自由席でしたら別途特急券をお求めいただければご利用になれます」


「あっ、はい、すみません。ありがとうございます…」


 男性は坦々と案内した理一に胸を刺されるようにビクリと気圧され、オドオドしながら歩きだした。


 理一は、そんなこと定期券の裏面に表記されているだろうと、男性に対して呆れていた。


 ◇◇◇


 線路を挟んで向かい側の5番線では成夢が監視台に立ち、クリーム色をベースに窓の周囲と車体の上下に赤いラインが引かれた古い車両、『かたりべ14号』を無事に見送った。うろな本線では一般型電車に加え、特急型電車も新型車両に置き換える計画がある。


「ねぇ、上福岡かみふくおかってどうやって行くの?」


 白髪頭で白いワイシャツ姿の男性客が成夢を見上げながら訊ねた。


「カミフクオカですね。少々お待ちいただけますか」


 北九州あたりの駅だろうかと思いつつ、成夢は左ポケットに忍ばせていた業務用スマートフォンを取り出した。


「調べないとわかんないの!? じゃあいいよ」


 男性客は成夢に一喝してズケズケと去った。


 上福岡は埼玉県にある東武東上とうぶとうじょう線の駅であるが、うろなから相当離れている駅である上に鉄道に詳しくない成夢は、このような質問に速答できない場合が多い。つい先日は北海道の北広島きたひろしま駅が広島県にある駅と勘違いし、時刻表で広島市周辺を探してしまった。


 あぁ、またやっちまった…。


 成夢は若干俯きながら、小さく溜め息をついた。


 ◇◇◇


 17時55分。17時から二人での改札業務を終えた成夢と理一はそれぞれ休憩室に戻ったが、窓口業務を終えたエレナに応接室まで呼び出された。


 


 

 ご覧いただき本当にありがとうございます!


 かなりリアルな回でございました。


 早く他の方々の作品におじゃましたいところですが、なんとまだ夕方という…。


 

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