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うろな駅係員の先の見えない日常  作者: おじぃ
駅係員たちの日常編
12/120

構内巡回とうろな町西部の駅をごあんない

 12時30分。成夢とエレナはランチタイム込みで1時間の休憩を終え、次の業務に移る。この日のランチはスパゲティーの乾麺を茹でてレトルトのミートソースをかけた簡単なものであったが、日によって牛丼やハンバーガー、弁当等を買うという更に簡単な場合もある。一方で夜は自炊をする場合もあり、食事当番次第ではやはり買ってきたものになる。同じ時間に休憩する社員が集って外食する場合もあるが、極めて稀だ。


 成夢とエレナの午後一番の業務は構内巡回。名の通り駅構内を見回り、清掃や気付いた点をメモしてサービス改善のアイデアを練る、簡単なようで決して簡単ではない業務だ。


「あーもう相変わらずゴミだらけでうぜぇなぁ」


「ゴミ箱あるのにベンチの下とか階段の脇とか結構落ちてるよねー。ポイ捨て禁止のポスターはあんまり効果ないみたい」


 うろな本線下りホームのゴミ拾いのみで約20分を費やした二人は、軍手を嵌めてビニル袋を持ちながらマナーの悪い旅客にうんざりしていた。加えて雨天のため、余計に気分が悪い。


「まもなく4番線に、12時57分発、普通列車湯海ゆのうみ行きが到着いたします。危ないですので黄色い線の内側までお下がりください。西うろな、新うろな、うろな裾野すその、うろな高原こうげん茶屋町ちゃやまち宿場町しゅくばまち城下しろした凪祭なぎまつり流鏑馬やぶさめ風来坊ふうらいぼう、湯海の順に、各駅に停車いたします。この電車、途中の新うろなで13時ちょうど発、快速ウィンディー湯海行きと待ち合わせいたします。うろな高原、宿場町とその先の各駅へお急ぎのお客さまは、快速ウィンディーをご利用ください」


 監視台に立ってマニュアル通りの放送をしているのは、高卒入社のため成夢より1年先輩であるが、3学年下の高田理一たかだりいち。色白小柄で縁の細い眼鏡をかけている。口調が淡々としているため、『接客態度が悪い』と名指しでクレームを寄せられる割合が他の社員と比較してやや多い。ちなみに接客に関するクレームは、横柄な態度をとる社員が多いベテラン層に寄せられる場合が多い。


 接客は人と人との対話であり、会社のマニュアルや、駅係員なら多くの者が学生時代に取得しているビジネスに関する資格の授業や教本で勉強した内容をそのまま実践すれば良いわけではないのだ。


 案内であるが、うろな本線でうろな町の西端にある駅は『うろな高原』。その先は現在のところ他の自治体である。


 また、放送にあった快速ウィンディーのうろな駅から西の通過駅には、西うろな、うろな裾野、茶屋町の三つがある。


「電車来るからここでちょっと待ってよう」


「はいっ」


 エレナと成夢は降車客の邪魔にならないようお忘れもの取扱所の壁際に寄り、発車を見守ることにしたのだが、この後トラブルが発生する。

 ご覧いただき本当にありがとうございます!


 今回のストーリーはちょっとリアル。鉄道のごあんないも引き続きおこなってまいります。

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