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うろな駅係員の先の見えない日常  作者: おじぃ
専門学校、職場体験編

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このまま鉄道会社に入って大丈夫かな?

 興味ないところへ連れ出して、鯨には悪いことしちゃったな。


 自責の念に駆られながらどこかゆっくりお話しできるところはないかと検討した結果、駅ビル最上階のレストランフロアにテナント入りしている蕎麦屋さんに決めた。もちろん、鯨も同意のうえで。


 私は天ぷら付きの盛りそば、鯨は温かい山菜そばを注文。食べ物の好みが違うなと、なんとなく感じた。


 私も山菜そばを食べたことはあるし鯨も天ぷらそばを食べるときもあるのだろうけど、なんとなく。


 そばを食べ終えて、蕎麦湯を飲み終えるまで、二人はこれといった会話をしなかった。お話ししようって言い出したのは私なのに、会話のキャッチボールが上手くできなかった。


 ここはちょっと粘ってみようかと、私はデザートにバニラアイスを注文。鯨は抹茶アイス。


 それらはすぐに運ばれてきて、今度こそと話を切り出した。


「最近さ、鉄道会社って色んなことやってるよね。駅ナカとか、劇団とか、植樹活動とか。なんか社会貢献してるって感じでいいなって思う!」


「うん、そうだね、いろいろやってるね」


 だめだ、やっぱり会話が弾まない。


「鯨は鉄道会社を目指すうえで何か関心あることとかあるの?」


「え、うーん、首都圏の電車とそれ以外の地域の電車の差とか」


「うんうん、例えば?」


「例えば東海道線。東京から熱海を走る電車は片側3ドアの車両から4ドアの車両に置き換えられたんだけど、熱海より西の地域は新型車両も3ドアなんだ」


「うんうん」と私は相槌を打つ。


「4ドアの車両は3ドアの車両に比べて座席数が少ないし、窓を背にして座るタイプの車両が多いから、大阪とか名古屋みたいに転換クロスっていう、特急列車みたいに景色が見やすい車両を入れて欲しいっていう要望もあるんだけど、首都圏とそれ以外の地域では人口に大差があるから、それはやめたほうがいいって僕は思う」


「そうだね。この辺の電車は朝と夜は凄く混んでるもんね」


「うん、この辺りは4ドア15両でも乗客が全員乗り切れなくて3分後に来る次の電車まで待たなきゃいけないのが日常なのに、そこにドア数が少なくて、窓側の人は通路側に座る人を跨がなきゃいけないうえに3ドアで乗降非効率な車両を入れるなんて、実情に見合ってない。他の地域は『長い12両編成、10両編成』って言うけど、こっちでは『短い』になる。


「そうだね、駅員さんが短い10両編成とか12両編成ってよく言ってる!」


「うん。だから首都圏では4ドアの車両のほうがいいんだ。鉄道会社は地域の実情に合わせて車両を投入してる。僕も大阪とか名古屋みたいな転換クロスの電車に乗りたい気持ちはあるけど、私欲に囚われない判断がプロには必要なんだって思う」


「そうだね、私もそう思う。だからもっと、色んなことに目を向けてみるのもいいんじゃない?」


「色んなこと?」


「うん、鉄道だけじゃなくて、お客さんに鉄道会社を好きになってもらえそうな、色んなこと!」


「っていうと……?」


「駅ナカだって、この駅ビルだってそうじゃん! 便利だし、こうやって美味しいものも食べられる。電車に乗ったついででも、電車に乗らなくても気軽に立ち寄れるスペースとかさ、大発明だよ! 駅っていったら最低限ホームときっぷ売り場と改札口があればいいのに、茅ヶ崎駅は来るだけでお食事もできるし本も服もお弁当も薬もなんかもう色々買えるもん! だから駅ビルを考えた人はすごい!」


「うん、そうだね、すごい」


 あれ? リアクション薄い。電車の話は熱心にするのに、同じ鉄道会社の話でも電車以外には興味ないのかな。勘付いてはいたけど。


 もし鯨がこのまま鉄道会社に入ったとしても、将来大丈夫かな?


 なんか私、疲れてきちゃったかも。

 お読みいただき誠にありがとうございます。


 更新遅くなりまして申し訳ございません。


 のらりくらりとやってきた鯨と咲月編も佳境に入ってまいりました。


 よろしければ引き続きよろしくお願い致します。

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