必要なもの
息抜きに書きました。
私は今日、仕事には行かず、家であることをずっと考え込んでいた。どうやって死ぬか、ずっと考え込んでいた。
嫌なことや辛いことがあっても昨日までは大丈夫だった。でも今朝、目が覚めると、生きる希望を失っていた。
毎日、出社して仕事をして帰るだけの日々。夢も目標もない。
人間関係も上手くいってなかった。家族はいるが、連絡を一切取っていない。友人も疎遠になってしまった。大切な人も、いなくなってしまった。会社でもずっと独りだった。
ずっと独りでも大丈夫と思っていたけど、数年前、私は犬を飼い始めた。寂しかった。温もりが欲しかった。
飼い始めてからの毎日は幸せだった。胸の真ん中にぽっかり空いた穴が埋まっていく感じ。
今も隣にいる。心配そうにこちらの顔を窺っている。私は無表情のまま頭を撫でた。犬はそれに構わずこちらを見つめていた。
どうして、こうなってしまったのだろうか。どうやって死のうか。何かの限界が来てしまったのだろうか。どこで死のうか。
そんなことを考える日々が数日続いた。
その日は少しだけ気分が良かった。それでも私がいつ、自ら命を絶とうとするか不安だった。自分のことは正直どうでも良かった。私は飼い犬が心配だった。
私は散歩に行こうと噓つき、犬を外に連れ出した。向かった先は、この子を買った場所とは違うペットショップ。
私は適当な店員にこの子を預け、ペットショップを後にした。店員とどんな会話をしたのかは、既に覚えていない。別れは普通なら悲しいはずなのに、涙は出なかった。悲しくもなかった。
不安の根源が無くなり、外に出たことによって、いろんな考えが浮かんできた。
車、電車、ビルの屋上、川、海……。
私は家に帰らず、死に場所を探して歩き始めた。
空がオレンジ色に染まる頃、私は大きな橋の上に立っていた。
「さようなら」
私は呟き、橋から飛び降りた。
一部実話。
実体験ではないです。




