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第3話『軍特殊部隊レベルの特殊装備』

第3話『軍特殊部隊レベルの特殊装備』

日本の警察特殊部隊はプレートキャリアと呼ばれる防弾プレートと弾倉ポーチ等がセットになった装備は付けたりしない。基本的には防弾衣と呼ばれる重たくて、使い勝手が悪い防弾装備が常だ。だが我々HWSATは本日から始まる訓練に向けて特殊作戦群並の黒いプレートキャリアにタクティカルヘルメット、ハイドレーション水筒、複数の道具や特殊音響閃光弾や煙幕弾が入ったり、付け加えられたりしてる高性能リュックを装備していた。

「第1小隊!前の緑のバンに警戒!」

「こちら第2小隊!後方よりトラックが突っ込んでくるぞ!」

という感じで非常に実戦的かつ危険なトレーニングを続けていた。

黒道理事官も悩んでいるようで、主犯輸送まで3日を切っていた。

「理事官、申し訳ありません……」

「いや、言葉はいい。態度と行動で示せ」

「はい……」

練習相手は特殊作戦群というのも演習が高難易度化してる理由の一つだ。こっちは編成から5年、戦力化を緊急で行った部隊。一方で特殊作戦群は精鋭部隊からさらに選抜して十数年かけて叩き上げて戦力化した部隊。勝てないのはある意味当然だろう。

撃ち合いの際はバトラー演習システムというレーザーを撃ち合う訓練だが、死なないと分かっていてスタントプレーも試したがダメだった。

そして今日も……

「第1小隊!ポイントマン全滅!」

「第2小隊!交代を要請!」

「こちらオペレーター、第2小隊の壊滅を確認」

結局、主犯役は誘拐されてしまった。

少なくとも最初の時よりは上手くいってるのだが、相手が相手ということもあり、完全成功は困難を極めている。

そして4個小隊で会議を始めた。

「どう行く?」

第2小隊長の言葉に村正が冷静に分析する。

「敵は前後から挟撃してきます。と同時に激しく射撃を行い、しかも正確。正面からの撃ち合いやエンジンブロックから顔を出すのは避けるべきでしょう」

「それでは、何も出来ないな」

第3小隊長の言葉に、俺が待ったをかける。

「特殊作戦群にはなくて、我々にはある物があります」

「ほう?」

第4小隊長を含め全員の視点が向く。

「放水銃と催涙弾です」

先程までワクワク満載だった小隊長達が落胆する。

「そんな物何の役にも立たないだろ?」

「正確な射撃を妨害することは可能です。少なくとも演習では使用できませんが対応訓練はできます。それに我々も機動隊時代に習った事もあるので有利かと」

「それはそうだが……」

その時、場に居合わせた黒道理事官が鶴の一声をあげる。

「その戦法を採用しよう。前述の装備品は明後日の本番までに手配する。君達の柔軟性と責任に期待する」

理事官に逆らうわけにもいかず、全員が敬礼する。

それから当日まで機動隊から借りてきた放水銃と催涙弾を的に当てる役目を第4小隊に任せて、訓練を続け、当日……

成田空港に到着した旅客機から降りてきたテロリストを護衛している特殊作戦群から、引渡しをされ、彼を防弾仕様のSUVに乗せる。

警備車両はのべ12台を超えており、ほぼ全ての信号をノーブレーキで行けるように手はずが整えられている。

成田空港から警視庁まで車で約1時間40分だがこれだけの大行列だと2時間半時間以上はかかるだろう。そして狙うとしたら迂回が利かなくなる東関東自動車道しかない。

俺と村正の手は震えていた。今ここで前方のSUVに向けて発砲すれば防弾仕様とはいえ、5.56mm増薬徹甲弾のフルオートを与えれば上司と仲間の仇を取れる。

「川上……コーヒーあるか?」

俺のその一言に、彼はポケットから1歩缶コーヒーを差し出す。

プシュという音と共に口に含むとスッキリとした苦味と酸味が、心を落ち着かせてくれる。

「隊長、やはり輸送対象が……?」

「まぁな……」

外を見ると東関東自動車道に入ったようだ。そして同時に無線が流れる。

「これより最重要警戒区間へと突入する。全員あらゆる脅威に対処せよ」

よし、憎き相手とはいえ、法で裁くのが我々の復讐だ。絶対に守りきって、死刑台に立たせてやる。


お手に取っていただきありがとうございます!続きになります。特殊作戦群との合同演習の描写や時間による練度差をどうしようかかなり悩んだ回になります。

あと1話本日は投稿するのでよろしくお願いします!

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