念には念を入れての花
今日、あいつに告白する。
無謀なんかじゃない。
たぶん、あいつもあたしのことが好きだ。
自惚れではない。たぶん。
あたしといる時のちょっとした仕草や笑い方、何より瞳の奥に見え隠れしている熱がそれを伝えている。
だからきっと自惚れじゃない。
だけど念には念を入れてあいつの親友にいろいろリサーチした。
あいつの親友はいろいろ教えてくれた。
その時に含み笑いをしていたのが印象に残っている。
あたしの親友も同じような笑みを浮かべていることがある。
何なんだろう?
そんなことを思い出しながら待ち合わせ場所に向かう。
呼び出すつもりだったのだけど呼び出されたのだ。
何か大事な用があるとか何とか。
その用が何かはわからないけどその話の後に告白するつもりだ。
待ち合わせ場所に着くとあいつはもう着ていた。
緊張した顔で手には、花束?
「お待たせ。話って何?」
「お前が好きだ。付き合ってください」
頭を下げて差し出してきたのはまさかのグラジオラスの花束だ。
あたしの一番好きな花。
彼には話したことはなかった。
知っているのはーー思い浮かんだのは友人のにやにや笑いだ。
彼女が話したのだろう。
普通のグラジオラスは夏から秋にかけて咲くものだけど今は時期が違う。
早咲きのグラジオラスがあることは知っているけどそれでもまだ早い。
どれだけ探すのが大変だったのだろう?
そう思うと同時に手を伸ばしていた。
「うん。私も好き」
「本当か? やったー!」
受け取った花束に頬を寄せて訊く。
「この花、どうしたの?」
「お前の友人からお前の一番好きな花だって聞いて。告白する時に渡そうと思ってたんだ。いっそのこと自分で育てた奴を贈ろうって育てた。だけど俺、花のことなんてよくわからなくて変な時期に球根を植えちゃったみたいで今の時期になっちゃったんだ」
照れくさそうに笑う彼は抜群に可愛くて胸がきゅんってなった。
「ありがとう! すごく嬉しい。大好き!」
真っ赤になった彼にやっぱりまたきゅんってなった。
あたしの彼氏は最高に可愛い。
読んでいただき、ありがとうございました。




