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あなたに愛されて幸せな花
「あなたに愛されて幸せだわ」
「どうしたの、急に。実は重い病気だとか言わないでよね?」
「ふふ、言わないわ。あの花を見たら何だか言いたくなったのよ」
指し示す先に咲いているのは白いアザレアの花。
彼がくれた花だ。
彼は首を傾げた。
知らないで買ってきたのだろうか?
「あの花の花言葉を知らない?」
「花言葉……」
彼の瞳が揺れる。
あら?
「"あなたに愛されて幸せ"っていうのよ」
「……へぇ」
気のないような返事。
思わず微笑ってしまう。
「……何?」
「わかってて買ってきたでしょう?」
降参というように彼は両手を軽く上げる。
「たまたまその花言葉を知って君に贈りたくなったんだ」
「そう。嬉しいわ。私も同じ気持ちだもの」
「そっか」
彼が嬉しそうに微笑った。
「でも君にはすべてお見通しなんだな」
「ふふ。愛する貴方のことだもの」
「そっか」
指摘はしないでおくわね。
花言葉の話題を出した時から彼の耳は赤く染まっていた。
読んでいただき、ありがとうございました。




