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小さな花の物語  作者: 燈華


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はにかみやの花

はにかみやの君。

君のはにかんだ微笑()みを見るのが好きだった。

その微笑みを守りたいと思っていた。


だけど。

最近気づいたことがある。

そのはにかんだ微笑()みを見せるのはどうやら私の前だけのようなのだ。


それに気づいたのは偶然だった。

彼が友人と一緒の時に笑っているのを見たのがきっかけだった。


彼ははにかんだ様子ではなく普通に笑っていた。

あれ? と思った。


だから私は自分の友人たちにも訊いた。

でも誰も彼にはにかんだ微笑みを見せられたことはなかった。

ただ、私を前にした彼がはにかんだ微笑みを浮かべていたのを見たことがあると言っていた。


それってもしかして……?

いや、でも、早とちりしていたら恥ずかしい。

でもでももしそうなら……?


ぐるぐると思考が回る。


こうなったら。

ぱっと駆け出した。

鞄につけた雪割草のチャームが揺れる。

最後は本人に直接訊いてみるだけだ。


走って、走って。

彼を見つけた。


走ってきた勢いのまま尋ねた。

もうストレートに「私の前でだけはにかんだ微笑()みをうかべているの?」って。


驚いた後で彼はきちんと答えてくれた。


「君の前だと何だか照れくさくて」

「それは、何で?」


思いきって訊いてみる。

どきどきして答えを待つ。


彼が真っ直ぐに私を見た。

そのまま真っ直ぐに告げてくれる。


「君が、好きだから」


はにかんだ笑顔。

私が大好きな顔だ。


「私も、好き」


破顔した君はもうはにかんだ笑顔ではなかったけど、そんな笑顔も大好きだ。


読んでいただき、ありがとうございました。

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