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小さな花の物語  作者: 燈華


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気品の花

大きな花瓶に一本の白梅が()けてあった。


潔く、一本だけ。


二本も三本も活けようと思えば活けられただろうに一本だけ。

その姿が何とも潔い。


どのような人が活けたのだろう?

想像してみる。


すっと背筋の伸びた立ち姿。

花を扱う丁寧な指先、所作。


梅を見るその眼差しは凛とした強さがある。

それでいて花に対する愛情が確かにあって。


花を活け終わり、確認した後でふっと視線が和らぐ。

その途端、(まと)う雰囲気まで柔らかくなる。


その姿に気品を感じた。


そうか、気品があるってそういうことか。

すとんと胸に落ちる。


もちろんあくまでもそれは私の想像の中の姿だ。

この活けた梅から感じ取ったことに過ぎない。

でもいいのだ。


気品のある人に憧れていた。

それでいて気品のある人というのはどういう人間であるのかわかっていなかった。

それが、見えた気がした。


理想というのはそういうものだろう。

目指す姿が思い浮かべられたから今日からその一歩を踏み出そう。


読んでいただき、ありがとうございました。

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