永遠の美しさの花2
机の上に飾られたモノクロの写真。
思わず息を詰めてその写真を見る。
一重咲きのストックが腕いっぱいに抱え心の底から幸せそうな微笑みを浮かべている女性。
とても、綺麗だった。
視線がはずせなくなるほどに。
これこそまさに永遠の美だ。
「それおばあちゃんの写真なんだ」
いつの間にか隣に立っていた彼が言う。
今日は頼まれて彼の亡くなった祖父母の家の整理を手伝いに来ていた。
会ったこともない私がいいのか、と聞いたのだけど、却ってそのほうがいいと言われた。
想い出があると先に進まなくなってしまうから、と。
空き家になっていたこの家を売ることにしたらしく自分たちだけでは片付けられないからと手伝いを頼まれたのだ。
「綺麗だね」
「ありがとう。撮ったのはおじいちゃん」
「へぇ。いい写真だね」
「ありがとう」
遠い記憶を眺めるように彼は写真に視線を向ける。
「凄く仲のいい夫婦だったんだ。いつもにこにこ幸せそうに微笑っていてね、お互いの悪口なんて聞いたことはなかった。むしろ二人とも結婚できて世界一の幸せ者だと言っていたよ」
それならばこの笑顔に納得だ。
愛する者に向けた微笑みだからこんなに綺麗なのだ。
「素敵だね」
「うん。僕の憧れ」
そっと彼に手を握られる。
「僕たちもそんな夫婦になりたいんだけど、どうかな?」
「え?」
彼を見上げる。
彼も私を見た。
まさかこんなふうにプロポーズされるなんて。
ふふ、と笑いが込み上げてくる。
でもそれは嫌なものではなくて。
眉尻を下げた彼に緩やかに微笑みかけて告げる。
「とても素敵だね。私も、そんな夫婦になりたい、貴方と」
彼は真っ赤になって、「うん」と小さく頷いた。
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