でしゃばりとおせっかいの花
でしゃばりでおせっかい。
そんなふうに言われることは多い。
完全に悪口だ。
本人に悪意があっても、なかったとしても。
別にどうでもいい人に言われたって気にすることはない。
どうでもいい人なら。
「僕この花が好きなんだ」
彼がそう言ったのは通りすがりの花壇に植えられた金魚草の花だ。
カラフルな花が賑やかだ。
「そうなのね。どうして?」
あまり彼とは結びつかない花だったから軽い気持ちで訊いた。
彼もあっさりと答えてくれる。
「君のような花だから」
とっさに反応できなかった。
彼はこの花の花言葉を知っているのだろうか?
でしゃばり、おせっかい。
それがこの花の花言葉だ。
まさか彼もそう思っているのだろうか?
彼にそう思われていたら……やっぱり傷つく。
密かに落ち込んでいると、それに気づかない様子で彼は続けた。
「明るい雰囲気が君にぴったりだ。お喋りしているみたいだろう? それも君の明るい話し声によく合っている」
「え?」
「金魚草って名前もいいよね。金魚って優雅に泳ぐだろう? くるくる動く君のための花みたいじゃないか」
そこには何のてらいもなかった。
本気で言っているのだろう。
もう驚いて何も言葉が返せなかった。
彼は首を傾げる。
「ん? どうかした?」
「いえ。驚いてしまって。嬉しい。ありがとう」
彼は私のことをおせっかいででしゃばりだなんて思っていない。
はにかんだように微笑って彼は言ってくれる。
「君の明るい話し声を聞いたりくるくるとよく動く姿を見るのが好きなんだ」
おせっかいとかでしゃばりだとかではなく、そのように見てくれていたのだ。
一瞬でも疑った自分が恥ずかしい。
私は彼にとびっきりの笑顔を向けた。
「嬉しいわ。ありがとう!」
読んでいただき、ありがとうございました。




