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小さな花の物語  作者: 燈華


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尊敬の花

尊敬する先輩へ、と渡された水仙の花束。

リボンを結んだだけの簡素なもの。

でも可愛いと思ってしまったのは内緒だ。


「なに? うぬぼれが強いって言いたいの?」


つっけんどんな言い方をしてしまう。

可愛くない。

本当は君から貰う花なら何だって嬉しいのに。


君はきょとんとした後で微笑(わら)った。


「違いますよ。これはラッパ水仙。花言葉はずばり"尊敬"です。だから尊敬する先輩に渡したんですよ」

「へぇ。水仙にもいろいろあるんだね。知らなかったよ」


そっけなく言う。

ああ、ほんとに可愛くない。

本当は可愛らしく「ありがとう。嬉しい」と言いたいのに。


いつも彼に対してはこんな態度なので微塵も気にしていない様子で彼は微笑(わら)う。

それがいいのか悪いのか。


でも今さら彼の前で可愛い反応をするなんて無理だ。

熱でもあるんですか? と真顔で心配されそうだ。

そんなの嫌だ。

好きな相手に心配されるのは嬉しくても、可愛い反応をしただけで熱があるのではと心配されたくない。


結局いつも通りの可愛くない反応をしてしまう。


「それを渡したかっただけなので失礼しますね」


あっさりと彼は私に背を向けて去っていく。

余韻も何もない。


いや、私たちの間にそのようなものはないか。

ない、ね。


私たちの間にあるのは先輩後輩という関係性だけだ。

そこに少しばかりの尊敬が乗っているだけ。


彼がくれたラッパ水仙を大切に抱きしめて思う。




その尊敬の心はいつか恋心に変わってくれるだろうかーー?




読んでいただき、ありがとうございました。

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