協力の花
貴方はずるい人。
わたしが貴方の頼みを断れないと知っていて協力を頼むなんて。
それも、恋の橋渡し。
わたしの気も知らないで。
無言で頷いたわたしに無邪気にありがとう、だなんて微笑って。
いっそ嫌いになれればいいのに。
こんなずるくて鈍感な人なのに嫌いになれない自分が嫌になる。
いっそ全然違うことを教えて仲をぐちゃぐちゃにしてやろうか。
そうすれば彼はわたしをーー嫌ってくれるだろう。
そうすればようやく離れられる。
そこまでしなければわたしはきっと彼から離れられない。
彼はわたしのことを何とも思っていないのに。
頼られると嬉しくなってつい協力してしまう。
わたしは都合のいい女なのだろう。
いや、異性として意識されていない。
だから恋の橋渡しなんて頼まれてしまうのだろう。
手帳から栞を取り出した。
ブルーデージーの花。
この花をくれたことさえ覚えていないのだろう。
嬉しくてそのうちの何本かを押し花にして栞にした。
その青い花びらはどことなく悲しげな色をしていて。
真ん中の褪せてなお鮮やかだった頃の面影の残る黄色が余計に痛々しい。
まるでわたしのようだ。
反射的にゴミ箱に捨てようとしてーー結局手が離せない。
この栞はわたしの感情そのもの。
捨てられない。
乱暴に手帳に挟んで閉じた。
「ああー、もうっ!」
わたしは机に突っ伏した。
読んでいただき、ありがとうございました。




