表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さな花の物語  作者: 燈華


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/53

協力の花

貴方はずるい人。

わたしが貴方の頼みを断れないと知っていて協力を頼むなんて。


それも、恋の橋渡し。

わたしの気も知らないで。


無言で頷いたわたしに無邪気にありがとう、だなんて微笑(わら)って。


いっそ嫌いになれればいいのに。

こんなずるくて鈍感な人なのに嫌いになれない自分が嫌になる。


いっそ全然違うことを教えて仲をぐちゃぐちゃにしてやろうか。

そうすれば彼はわたしをーー嫌ってくれるだろう。


そうすればようやく離れられる。

そこまでしなければわたしはきっと彼から離れられない。


彼はわたしのことを何とも思っていないのに。

頼られると嬉しくなってつい協力してしまう。


わたしは都合のいい女なのだろう。

いや、異性として意識されていない。

だから恋の橋渡しなんて頼まれてしまうのだろう。


手帳から栞を取り出した。

ブルーデージーの花。

この花をくれたことさえ覚えていないのだろう。


嬉しくてそのうちの何本かを押し花にして栞にした。

その青い花びらはどことなく悲しげな色をしていて。

真ん中の褪せてなお鮮やかだった頃の面影の残る黄色が余計に痛々しい。


まるでわたしのようだ。


反射的にゴミ箱に捨てようとしてーー結局手が離せない。


この栞はわたしの感情そのもの。

捨てられない。


乱暴に手帳に挟んで閉じた。


「ああー、もうっ!」


わたしは机に突っ伏した。


読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ