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小さな花の物語  作者: 燈華


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裕福と利益の花

庭に植えてあった千両の木。

その実を手のひらいっぱいに集めて笑っていた頃が懐かしい。


ああいう時間こそが心の裕福さだったのだろう。

今の私にあるのはいかに利益を出すかだけ。


利益が出なければ生活ができない。

だから仕方ない。

だけど利益だけを追う生活というのも何とも空しい気持ちにさせられる。


夢を叶えたはずだった。

自分の店を持ちたい。

それは小さい頃からの夢だった。


自分の好きなものを扱う店。

自分の好きなものでお客様を笑顔にする店。


そういう店を持ちたかった。


必死でお金を貯めて商品を仕入れ、念願叶って開いた店。

現実は甘くなかった。


自分の好きな物より売れそうな物を。

お客様の喜ぶ顔よりもいかに利益が出るも物を買ってもらうかを。


いつからかそんなことばかりを考えていた。

そしてそんな自分に疲れを感じていた。


店内を見回す。

どことなくどこにでもあるような店内になってしまっている。


始めた頃はあれこれ考えて、できる範囲で工夫して、こだわりを持って店を作っていたというのに。

いつの間にか店を存続させることが目的になり忘れていた。


利益を追い求めることは悪いことではない。

だけど、どうして自分の店を持ちたかったのかを忘れてしまっては駄目だ。


どこにでもあるような店なら別にこの店である必要はないのだ。

ここだからこそ足を運んでもらえる店にしないと。

見向きもされなくなる。

それでは立ち行かなくなる。


自分が納得できるならいいけど、こんな自分でも妥協した状態でそうなるのは嫌だ。


そう思うと心が決まった。

後悔しない店を作ろう。


うーんと伸びをする。


心はすっきりとしている。

いつぶりだろうか。

思い出せないくらい久しぶりだ。

そうだ。


近いうちに祖父母の家を訪ねようか。

原点回帰してあの千両の実を両手いっぱい集めるのもいいかもしれない。


読んでいただき、ありがとうございました。

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