熱愛の告白の花
何で熱愛の告白をされなきゃいけないの。
それも、親友と、私の片想いの相手との。
相手の名前を親友は言っていない。
だけど私は知っている。
二人で親しげに話している姿を何度も見かけたから。
言ってくれればいいのに。
そうしたら私は……
「聞いてるの?」
「はいはい聞いてるよ。彼氏とラブラブね」
「そう、そうなのよ。写真見る?」
こちらの返事も聞かずにスマホをこちらに向ける。
見たくもなかったが視界に入ってしまった。
「え?」
見せられた写真に写っているのは目の前の親友と彼の、親友だ。
何故かピンクのカーネーションを挟んで微笑っている。
どういうこと?
恋人は彼ではなかったのだろうか?
でもでも私はしっかり見た。
あれは見間違いなんかじゃなかった。
しかも一回じゃなく何回もだ。
「思っていた人物じゃないって顔ね」
「え、あ、うん、だって……」
しどろもどろになってしまう。
私が誰のことだと思っていたのか親友は察したようだ。
いや最初からわかっていたのだろう。
「私は相談に乗って、乗ってもらってただけよ。へたれの背中も押してあげたから」
「へたれ?」
「そう。好きな女の子に告白もできなくて、一生友達でもいいって言っておきながら、その子に彼氏ができても祝福なんてできそうにないなんてほざくへたれよ」
「好きな、子……?」
「そうよ。それならさっさと告白して玉砕でも何でもしろって蹴っ飛ばしておいたわ」
「へ?」
親友の視線が私の後ろに流れる。
「ほら来たみたいよ」
名前を呼ばれて振り向けばそこにいたのは私の片思いの相手。親友の恋人だと思い込んでいた男だ。
「ほら行きなさいよ。いい報告を待っているわね」
にこやかに手を振る親友と、何より彼の真剣な顔に引き寄せられて席を立った。
「お前に伝えたいことがあって」
「う、うん」
「とりあえず、こっち」
伸ばされた手は戻され、私からも手を伸ばすこともできなくてただ彼の後に続いた。
無言で歩き、近くの公園に入った。
そのまま歩き回り、人気のないところで立ち止まった。
彼が振り向く。
私は緊張しながら彼の言葉を待つ。
結局、真っ赤な顔で彼が口を開いて告白してくれたのは実に三十分も経った頃だった。
その返事はーー私も真っ赤になって頷いたのだった。
読んでいただき、ありがとうございました。




