気どらない優美さの花
ふと赤い椿の柄の着物を着ている女性が目に入った。
その女性の立ち居振舞いの優美なこと。
それでいて気どらず自然体だ。
思わず視線が吸い寄せられる。
それは私だけではなかった。
やはり優美な立ち振舞いというのは自然と人の目を引くようだ。
だけど彼女は自然体のまま。
他人の視線を意識した様子はない。
それをいいことにしばらく観察させてもらう。
こちらは今、カフェでお茶をしているところだ。
彼女は道の向かいの店で何やら作業をしていた。
着物姿でもてきぱきと動いている。
いや、着物が動きにくいというのは私の偏見だ。
着なれない私が着物を着た時に動きにくかっただけだ。
見た感じ、彼女は着物を着なれている。
普段から着物なのだろう。
着物は姿勢を保つのにいいと聞いたことがあるような。
ぴんと一本棒が通ったような姿勢の良さが優美さにも繋がっているような気がする。
その所作に思わず見とれてしまう。
てきぱきと動く姿は見ていて気持ちのいいものだ。
結構ガン見してしまっているが彼女の視線がこちらに向くことはない。
彼女は人の視線など気にしないようだ。
人の目を気にしてしまう私とは大違いだ。
ああ、彼女のようになりたい。
不意に強く思った。
とりあえずぴんと背筋を伸ばしてみる。
少しだけ、近づけたような気がした。
読んでいただき、ありがとうございました。




