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小さな花の物語  作者: 燈華


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12/16

つつましやかな人の花

つつましやかな人って聞いてどんなイメージを持つ?

私は男を立てて、三歩後ろを歩く感じ。

祖母も母もそのような女性だ。


そしてそんなふうになるようにと、直接的には言われなくても間接的にずっと言われて育った。

だから無意識にその意向に沿った立ち居振舞いをしてしまうようになってしまったのだと思う。


「つつましやかな人だね」


私のことをそう言う人たちがいる。

本人たちはもしかしたら褒めているつもりなのかもしれないけど。


私にとってその言葉は呪いだった。

言われるたびにもやもやする。

でしゃばるな、と言われているような気分になる。


だけど、ある日男友達に愚痴ったら思わぬ言葉が返ってきた。


「つつましやかな人ってきっと気配りできる人のことだと思うよ」

「え……?」

「君の言っているようにあまり物を言わない、人の後をついてくるような人は大人しい人、まあいい言い方をすれば控えめな人なんじゃないかな。でもつつましやかな人とは言わないと思うよ」

「そう、かな」

「うん。人を立てることができる人というのは、周囲をよく見て方々(ほうぼう)に気を配っているんだと思う」

「確かに、相手だけを立てればいいわけじゃないものね。周囲の空気を悪くしたら意味がないし」

「そう。確かに一歩引いているけれど、それは周囲に気を配っているからだよ」

「人を立てられる人は確かにそうかもしれないわね」


でもそれはつつましやか、というよりはただ単に人を立てられる人じゃないかしら?


「つつましやかな人は相手を立てて敢えて言わないことを選んだ自立した人のことを言うんだ」

「え?」

「少なくとも僕はそう思っている」

「そう」


そんなふうに考えたことはなかった。

そんなふうに言ってくれた人もいなかった。

だけど、すーっと心に入ってくる。


これからはそう思うことにしよう。

私は微笑んだ。


「ありがとう」


彼の後ろでは春山茶花(さざんか)が揺れている。

まるで芽生えた恋心を応援してくれているかのようだった。


読んでいただき、ありがとうございました。

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