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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

歌姫封神!GENKI 仙境に響け、希望のカンタータ!

作者: 輝夜


第一幕:輝きの陰り、忍び寄る静寂の魔手


歌姫GENKIのコンサートは、常に熱狂と感動の渦だった。彼女が「七彩光音扇」を手にひとたび歌えば、会場は虹色の光に包まれ、聴く者の心は希望で満たされる。しかし、ここ最近、GENKIの歌声にいつものような力が感じられず、彼女自身も原因不明の倦怠感に悩まされていた。

「GENKI、少し顔色が悪いわ。無理は禁物よ」

ステージ袖で、蒼釉が心配そうに声をかける。その不安は的中し、GENKIの歌の輝きが陰るにつれ、下界では人々の活気が失われ、街全体がどんよりとした空気に包まれ始めていた。

その異変の元凶こそ、堕仙チルアウトであった。彼は隠れ処で「忘却の黒琵琶」を爪弾き、その不協和音に似た音色で人々の情熱を奪い、世界を自らの望む「永遠のチル」状態へと誘おうとしていたのだ。

「フン…歌姫GENKIか。そのやかましい希望の歌も、間もなく永遠の静寂に沈むことになる…」

チルアウトの冷たい笑いが、闇に響いた。


第二幕:導きの糸、崑崙の釣り仙人


チルアウトの妖気は日増しに強まり、ついにGENKIのコンサート会場を直接襲った。「忘却の黒琵琶」の音色が響くと、観客たちは次々と虚脱感に襲われ、その場に崩れ落ちていく。

「みんな、しっかりして!」GENKIは必死に歌うが、邪気に阻まれ声が届かない。

「GENKI、ここは危険よ!」蒼釉が「破邪顕正鏡」でチルアウトの妖気を辛うじて弾き、GENKIを連れて脱出する。

「このままでは、世界がチルアウトの手に…」GENKIが唇を噛む。

その時、蒼釉が古文書から見つけ出した情報を思い出す。「崑崙の奥深くに、ぜん仙人という方がいると…万物の理に通じ、不可能を可能にする力を持つとか。ただ、とんでもない変わり者らしいけど」

藁にもすがる思いで、二人はぜん仙人が住まうという「無為自然の淵」を目指す。道中、チルアウトが放った低級な妖魔たちが襲いかかるが、GENKIの懸命な歌と蒼釉の符術が道を切り開いた。


第三幕:無為自然の淵、釣りの極意と心の鏡


幾多の困難を乗り越え、辿り着いた「無為自然の淵」。そこには、古びた釣り竿を手に、静かに水面を見つめる老仙人、ぜんの姿があった。

「あの、ぜん仙人様!世界が大変なのです!助けてください!」GENKIが必死に訴える。

ぜんはゆっくりと顔を上げ、二人を一瞥すると、また釣り糸に視線を戻した。「ふむ…歌姫殿と道士殿か。わしは魚を釣るのに忙しくてな。世界の危機など、この淵の波紋のようなものじゃ」

取り付く島もない。GENKIが歌の力が弱まっていることを涙ながらに訴えると、ぜんはポツリと言った。

「水が濁れば、魚は寄り付かぬ。おぬしの心の水面も、今は濁って底が見えぬようじゃな。歌も同じことよ」

そして、「この淵で一番大きな『心のぬし』を釣り上げることができたら、力を貸してやらんでもない」と、奇妙な試練を言い渡すのだった。

GENKIは戸惑いながらも、ぜんから借りた粗末な釣り竿で「心の主」釣りに挑む。何日経っても釣果はなく、焦りと不安が募る。蒼釉は献身的にGENKIを支え、励まし続けた。

「釣るとは、待つこと。そして、信じることじゃ」疲弊するGENKIに、ぜんが静かに語りかける。「何を信じるか?己の心を、おぬし自身の歌の力をじゃ」

その言葉に、GENKIはハッとする。自分はいつの間にか、歌の力そのものではなく、結果ばかりを求めていたのではないか。人々を元気にしたい、笑顔にしたい――その純粋な想いを取り戻した瞬間、「七彩光音扇」がまばゆい光を放ち、釣り竿が大きくしなった。

釣り上げたのは魚ではなく、美しく輝く「希望の結晶」。それは、GENKI自身の曇りのない真心が形を成したものだった。

「見事じゃ、歌姫殿。おぬし自身の輝きを取り戻したようじゃな。チルアウトの妖術は、心の隙間に入り込む。だが、おぬしの純粋な歌は、その隙間を満たし、闇を照らす光となる」

ぜんは満足げに頷き、GENKIに歌の真髄と、チルアウトの妖術を打ち破る秘策を授けた。


第四幕:決戦!希望のカンタータ、邪気を祓え!


その頃、下界の都ではチルアウトが「忘却の黒琵琶」を奏で、人々を完全な無気力状態に陥れる最終段階に入っていた。街は静寂に包まれ、生命の灯火が消えかかっている。

そこに、決意を新たにしたGENKIと蒼釉が降り立った。

「チルアウト!あなたの好きにはさせない!」

「フン、まだ足掻くか、小娘。世界の調和は『静寂』にあるのだ。お前たちの騒がしい希望など、もはや不要!」

チルアウトが黒琵琶を激しくかき鳴らすと、絶望の波動がGENKIを襲う。だが、今の彼女は揺るがない。

「蒼釉、お願い!」

「任せて!」蒼釉が「破邪顕正鏡」を構え、チルアウトの妖気を反射、GENKIを守る!

そしてGENKIは、「七彩光音扇」を高く掲げ、ぜん仙人に教わった真髄を込めて歌い始めた。それは力任せの絶叫ではなく、一人ひとりの心に優しく寄り添い、内なる光を引き出すような、清らかで力強い「希望のカンタータ」だった。

その歌声は、チルアウトの奏でる不協和音を打ち消し、邪気を浄化していく。無気力に沈んでいた人々の瞳に、次第に光が戻り始める。

「馬鹿な…!我が『忘却の音色』が…!この私の『チル』が破られるだと!?」

チルアウトは最後の力を振り絞り、さらに強力な邪気を放つ。だが、GENKIの歌声はますます輝きを増し、ついに天を貫くほどの光柱となった。その圧倒的な希望の光に、「忘却の黒琵琶」は甲高い音を立てて砕け散り、チルアウト自身も断末魔の叫びと共に光の中に封印された。


第五幕:新たなる歌声、そして仙人は釣り続ける


チルアウトが消え去り、都には再び活気が戻った。GENKIの歌声が響き渡り、人々は手を取り合い、喜びの涙を流す。

「ありがとう、GENKIちゃん!」

「あなたの歌で、また頑張れるよ!」

感謝の言葉に包まれ、GENKIは微笑む。今回の戦いで、彼女は歌の本当の意味、そして自身の力の源泉を再発見したのだ。

その頃、崑崙の「無為自然の淵」では、ぜん仙人がまた一匹、大きな魚を釣り上げていた。

「ふむ、なかなか良い引きじゃったわい」と、ニヤリと笑う。「さて、次はどんな『大物』が、この釣り針にかかるかのぅ…」

仙境に響いた希望のカンタータは、これからもGENKIの歌声と共に、世界を照らし続けるだろう。そして飄々たる仙人は、今日も明日も、ただ悠然と釣り糸を垂れるのだった。


さて、ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました!

『歌姫封神!GENKI 仙境に響け、希望のカンタータ!』、いかがでしたでしょうか?


えー、何を隠そう、この物語に登場した輝けるアイドルGENKIさん、冷酷非情な悪役チルアウトさん、頼れるサポーター蒼釉さん、そして飄々とした釣り仙人ぜんさん…これらのキャラクターは、何を隠そう、あの過酷な『大三国志』の戦場で共に天下を目指す(あるいは目指した)、勇猛果敢なる我が盟友たちを、わたくしめが勝手に!大胆に!そして愛を込めて!キャラクター化させていただいたものなのでございます!


(GENKIさんへ)

まず、GENKIさん! まさかの歌姫アイドル化、誠におめでとうございます!(え、違う?)

普段のゲーム内での雄々しい指揮っぷり、あるいは豪快な戦いぶりからは、正直、虹色の光を放つ歌姫という発想は…ええ、我ながらぶっ飛びました(笑)。

「七彩光音扇」を振るうGENKIさん…想像すると、こう、何というか、力強い演歌とか、あるいは魂のシャウトが聴こえてきそうですね! 実際のGENKIさんの美声(脳内補完)が世界を救う展開、悪くなかったでしょう?(強引)

もし、ご本人がこれをお読みになって「俺が女アイドルだとぉ!?」とお怒りでしたら…えっと、それはそれでおいしい展開です!(こら)


(チルアウトさんへ)

そしてチルアウトさん! 今回、華麗なる悪役への転身、お疲れ様でした!

「忘却の黒琵琶」で世界を「チル」させようとするクールな堕仙…って、いや、ゲーム内ではめちゃくちゃ熱い方じゃなかったでしたっけ!? あの熱血漢が、まさかの無気力推進派! このギャップ、作者的にはたまりませんでした(笑)。

もしかして、日々の激務やレベリングに疲れて、「たまには全部チルアウトしてぇ…」とか思ってたのがバレたとか? 安心してください、あなたの心の叫び、物語で昇華しておきました!(勝手に)


(蒼釉さんへ)

蒼釉さん、いつも冷静沈着なサポート、物語でも本当にありがとうございました!

「破邪顕正鏡」でGENKIさんを守り、的確な助言をする姿…これはもう、ゲーム内での蒼釉さんの頼もしさそのもの! 安心して背中を預けられる、まさにそんな存在感でした。

きっと、リアルでもこんな風に仲間をサポートされているに違いない…と、勝手に感動しておりました。女性化されても、その知的な雰囲気は健在でしたね!(え、蒼釉さんも男性?…ですよね!)


(ぜん)わたくし。

最後に、ぜん仙人! 飄々と釣り糸を垂れる仙人役、いかがでしたか?

「因果応報釣」で何を釣っていたのか…気になりますねぇ。レア武将? それとも今日の晩ごはんのお魚?

あの掴みどころのない感じ、そして時折見せる鋭い洞察力は、もしかしたらゲーム内でのわたくしのプレイスタイルを反映している…のかもしれませんし、全く違うかもしれません(笑)。「無為自然」とは言いながら、一番おいしいところ、ごちそうさまです(笑)


というわけで、この物語は『大三国志』という名の戦場で出会った、かけがえのない仲間たちへの、私からのささやかなラブレター(という名の壮大ないじり)でございました。

ご本人様たちがこれをお読みになって、ニヤリとしてくださるか、あるいは「おいコラ作者!」と攻め込んでくるか…それは神のみぞ知る、といったところでしょうか。


もし万が一、好評でしたら第二話『アイドルGENKI、今度は宇宙へ!?チルアウト、まさかの改心編』とか、あるいは『ぜん仙人のドキドキ☆フィッシングライフ ~時々、世界を救う~』なんてスピンオフも…いや、調子に乗りすぎました。


改めまして、こんな無茶振り(?)にお付き合いくださり、そしてモデルとなってくださった勇者たちに最大の感謝を!

そして、ここまで読んでくださったあなた様にも、心からの感謝を捧げます!


またどこかの物語(あるいは戦場)でお会いしましょう!


ホントにこれでいいのか?わたし。


(追伸:GENKIさん、コンサートのチケット、ちゃんと確保しておいてくださいね!ペンライト振って応援に行きますから!)

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