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ずっと一緒に…【EP2】
佐奈は、一人泣きながら公園のベンチに座っていた。
「佐奈……!!」
俺は、安心して佐奈の名前を叫びながら、抱きしめた。
「お兄ちゃん……」
「どこに行ってたんだよ。心配しただろ」
「内緒でお兄ちゃんを追いかけようとしたけど、人が多くて、見失っちゃって……」
「そ、そうか」
「お兄ちゃん、いなくなっちゃったから、怖くて……だから公園に戻って待ってたけど、なかなか帰ってこないから、もっと怖くなっちゃって」
ポロポロと、大粒の涙をこぼしながら、佐奈は言う。
「私、心配させちゃった……。ごめんなさい」
「いや、気にするな。でも、もう勝手に一人でどこかに行くんじゃないぞ」
「……ごめんなさい。もうしないから」
佐奈は、しゃっくりをしながら、何度も何度も謝った。
俺は、佐奈の頭をわしゃわしゃと撫でてやる。
でも良かった。せっかくのクリスマスが、最低な日にならなくて。
「今日は、幸せな日にしてやるからな。佐奈」
そうして、俺は彼女に微笑んだ。