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謎の少女【EP2】
足が棒になるくらい歩いた。
疲れたから、近くにあった公園のベンチで仮眠をとる。
それから何時間も経って、俺は目を覚ます。
辺りは、子供がたくさんいた。
ああ、もう夕方か……。
俺は子供を避けるようにして、公園を出て行く。
麗華と別れた場所までたどり着くと、急に街を探検したい気持ちになった。
さっきも探検していたが、それよりも、もっと細かい場所まで探りたくなった。
子供と会うのが嫌、という気持ちもあってのことだったが、それだけじゃなかった。
急に好奇心がわいたのだ。
俺は、クリスマス街とは真逆の真っ暗な道を歩いてゆく。
なんだか居心地が良かった。明かりばかりが照らされている街よりも、気分がいい。
調子に乗って口笛を吹きながら、俺はある街角を曲がろうとした。そのとき……
どんっ
小さな何かとぶつかった。
前を見てみると、小さな女の子。
少し離れたところに、倒れこんでいた。
「大丈夫かい?」
そう言いながら少女の姿を見ると、酷い姿だった。
血まみれで、もう死んでしまってるんじゃないかと、本気で思った。
だが、なんとか息をしていた。
俺は慌てて自分の家へ、少女を抱いて向かった。