表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光と影  作者: 篠沢くるみ
1/11

微かな光【EP1】

クリスマスなんて大嫌い。

街角ですれ違う楽しそうな家族連れや恋人たち。

私は一人ぼっち。だから、クリスマスなんて嫌い。

あの頃は良かった。

お母さんも居た。お父さんも居た。お姉ちゃんも居た。好きな人も居た。

なのに、突然居なくなっちゃうんだもん。

私は、独りじゃ何も出来ない。

いなくなってほしくなかった。

なのに、みんな……みんな消えちゃった。

私は何も悪い事、してないのに。


幸せそうな、暖かそうな光をワザと避けて通る。

なにも、見たくなかった。

私は不幸な人間だから、幸せな人たちとはわけが違うから。

だから、同じ空気になんて浸りたくもない。


肩を落とし力をなくしたように、私は歩く。

ある街角を曲がろうとしたとき……


誰かとぶつかった。


高校生くらいの男の人だった。

私は勢いよく吹っ飛んで、白い雪の上に転んだ。


「大丈夫かい?」


声をかけてもらった。

でも、余計なお世話。痛みなんてもの、全然感じないし……。


「すごい傷だらけじゃないか」


その男は、小さな私を抱きかかえると、どこかへ駆けていった。

私は、彼の胸の中で揺れながら、眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ