裏
めでたしで終わるわけない。
こんな結末は認めない。
「おい!大丈夫か!!」
「早く!回復魔法を!」
「どうして!?治りません!?」
「ポーション、エリクサー、身代わりの護符、なんにも効いてない!?なんで!?」
「はぁ、使っちゃったかぁ」
「くぅぅ、我がまだ強ければ…あいつは…」
「ねぇ!?何を知ってるの!?あいつは何を使ったの!?」
魔王が倒されたことによって世界『は』平和になりました。
魔王が作っていた曇天も無くなり空は青を取り戻しました。
魔王が歪めてた空間も元通りに。
だけどあの人は帰ってきません。
身勝手なあの人はもういません。
勇者パーティを繋いでくれたあのアホはもういないのです。
でもそんなことは認めたくないのです。
前みたいにひょっこり戻ってくることを期待して、
けど、目の前にある現実が。
前みたいにおはようと起きてくることを期待して、
けど、そんな声も聞けなくて。
期待して、また諦めて、
あのバカの部屋に1枚の手紙を見つけました。
手紙には『ごめん、けど俺はこのためにある。ゆるせ』
そう簡潔に綴られた手紙。
アイツらしい。
けど、こんなの……こんなのあんまりだよ……
『魔王討伐ありがとうございます』
『力もだいぶ回復して来ました』
『お礼になるかは分かりませんが、蘇生を行います』
『これからは魔王討伐という使命を忘れて、この世界を楽しんでください』
はいハッピーエンド




