表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

命取れ物語

作者: ななみん。

 今からすると、結構昔のことになるんだけど命取(たまと)りの組長がいたっぽい。

 他所の組に行っては色んなやつの(たま)とったり色々あくどいことをしていたみたい。

 組長の名前は、忘れた。

 正直関わりたくもないし興味もないからね。

 たまたま(タマだけに)組長やんちゃだったから、あれやこれややりまくって他所で出来た子を育てることになったらしい。

 愛人の子とか引くわ普通。

 まあそれでも可愛かったみたいだし組の中で大事に育てたらしいよ。ちな女の子。


 それから16年くらい経ったらしいんだけど、それはもうめちゃ可愛く育った。

 どのくらいかというと近所の男はみんな、この命取子(たまとりこ)(仮名)をものにしたいと思った。

 でも家がほら、ね、あれじゃん?

 だからうろうろするだけだったらしいよ。

 でもある日、1人の勇者が家を訪ねたっぽいけど怒鳴られて小便ちびって帰っていった。マジいとわろし。


 そんなヘタレとは違って取子をガチで狙う奴らがいたわけ。しかも5人よ。は? マ?

 でもそいつらは諦めが悪い。昼夜問わずきてたわけ。

 え、お仕事は何されて……もしかして無職の方ですか!?

 5人の名前は、忘れた。

 正直そういうのどうでもいいしね。

 とりま端っこからA~Eとかでいいんじゃね? 某RPGのスライムみたいに。


 そこまではよかったんだけどやつらかなりしつこくて、組的にもアレだったのかな。

 見物人がでてきた。

 あいつら諦めないかなぁ……(チラッ)じゃダメだったらしい。

 組としても、堅気(かたぎ)に手を出すのはよしとしないからやっぱり手をこまねいていたみたいだね。


 正直組長と取子もいい加減イラッとしてた。

 だからある手を考えたわけね。

 なんとそのストーカー5人を家の中に入れちゃった。

 で、そいつらにそれぞれお願いをして、合格! ってやつと所帯を持つ約束をしたらしい。

 その音声をICレコーダーでとってたバカがいて、一度しばかれたらしい笑。


 5人にお願いした内容、忘れた。

 多分こんなだったと思うんだけど?

 ○×組の組長のタマ取ってこんかいワレェ!

 いやぶっちゃけそうでしょ。

 その手の方が他に何を御所望になるっていうの。

 ま、結論からいうと全員アウト。

 そりゃそうでしょ。そいつらがどうなったのかはちょっとわかんない。


 そんなこんなで退屈な日がまた訪れたわけ。

 そんな中、取子組も襲撃が度々されるようになったんよ。

 どうやらオフェンス側の組の若頭は取子が欲しいようだった。

 でも昔から仲の悪い組同士だから縁談とか無理とかなんとか。

 だったら奪うしかないじゃんとか草。頭の中戦国時代かよ。


 それでもなんとかライン交換だけはできたらしい。

 まあ、取子はいやいやだったけど暇つぶしのために仕方なくね。


『お前が一緒になってくれないからめっちゃぴえん超えてぱおん』

『は? 貴様風情があーしと釣り合うわけないだろ。恥を知れボケ』


 そのやり取りで若頭めっちゃへこんだらしい。

 ちょっと言い過ぎたかなって取子も思ったらしくて、会ってはやらないけど返事だけはイイ感じの返そうと思ったんだって。

 そんなラインのやり取りが3年続いたんだけどすごくね? 実は好きなんじゃないの?

 その証拠に取子が時々空を見上げては、なんか独り言言ってるって組の者が証言してる。

 情緒不安定な取子には通院をお勧めしたい。


 何ヶ月かすると病状が悪化したのかな。


『ふはははは、我は闇より出でし混沌なる†命取猫姫(たまとりねこひめ)†なるぞ。眷属共よこちらへ来い』


 とかなんとか言い出したんですけど!

 そんなことよりあの若頭も中二になってんのウケルな?


『我は光の皇子。闇と光が合わされば我らは無敵となろう! さあ姫よ現世(うつしよ)の記憶など捨てよ!』


 とかいってて本格的に草&ガッバーナ。

 でも惹かれあったんだろうね。取子は家出を決意したんだ。

 組長はものすごい引き止めたけど娘可愛いんだろうな。結局許すことにしたみたい。

 取子は寂しくなったらこれ見て! とかいってラインで何か打ってる。


『このジャケットおいてくから、これをあーしだと思えばよくね? うれしみのかまたりじゃね?』


 それを最後にこの家から出て行ったっぽい。

 取子はどうしてるって?

 それはちょっと、忘れた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ