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人生の足枷  作者: 懿夢
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イジメの発端

 世の中は死に満ち溢れている。顔には出さない暗い思いの吐口はどこに吐けるだろう。人生という名の縛りに耐え、皆生きていく。中にはそれに耐えかね自殺を選ぶものもいる。そんな主人公、響夜の人生を書いた話だ。

 愛知県の小学5年生のC組、やや遅刻して入ってくる。扉に入り席に着く。陽キャならばここで男子女子から「よう!響夜今日もギリギリだな(笑)」とかって声を掛けられるだろうな。いや、決して俺に友達がいないわけではない。多いくはないけれど、5、6人は話せる仲の友達がいるのだ。陰キャならばコミュ障で、友達が一人もいなくて、ペア決めの時は一人残って、先生と一緒になっているのだ!なので俺は決して陰キャではない。

 ランドセルを机の上に置き、開ける。教科書を机の中に杜撰に入れる。親に見せてない、プリントを溜め込んでいたせいで、教科書と教科書の間に挟まってグチャグチャになっているがそんなことは気にしない。そんなことを気にしていたら、とっくに改善している。

 連絡帳を取り出すために、教科書類を机の中から探しだす。教科書を一冊一冊乱暴に探し、挟まっていたプリントが教科書を引っこ抜いたせいで破れる。が、文字は読めるので気にしない。連絡帳をとり、汚い文字を見ながらページを捲る。空いてるページに、黒板にいつも書いてある先生の今日の挨拶を視界に入れながら、明日の時間割と今日の宿題を連絡帳に書き終える。机の上に一時間目の授業の教科書を置いて、尿意が来たのでトイレに行く。

 トイレには陽キャ数名が連れションしながら、トイレに居座り話をしているのを聞きながら小便をする。

「そういえばさ、朝配布物を取りに行くために職員室寄ったんだけどさぁ先生たち何話してたと思う?」

「はぁ?そんなわからないクイズ出すなよぉ」

「あれだろ。林先生のおっぱいの大きさについて談義してたんだろ?」

「いや、それについては興味深いが違うよ。俺らに関係してるよ」

「んで、答えはなんだよ」

「実はだな、先生たちが5年C組に転校生がくるんだとよ」

「まじかよ!女か?おんななのか??」

「いや、そこまではわからないよ。ごめん」

「女だといいなぁ。あわよくば帰国美少女がいいなぁ」

 そんな会話を耳に通しながら12秒くらいの結構長い小便を出していた。


 8時40分ホームルーム(HR)が始まった。

「おはようございます。今日はこのクラスに新しい友達が転校してきました。それでは、零()()入ってきて」

 女子も男子も興味津々な顔を出している。

 扉が開く、入ってきたのは、陰気で髪がボサボサで長く目が隠れていてニキビ面のメガネで服は汚れている。そう、不細工な()だったのだ。

 みんなの興味も失っているのが、背中姿を見ても伝わる。

「それじゃぁ、零くん自己紹介をお願い」

「えと、婀娜小学校から転校してきました。名前は、小鳥遊零(たかなしれい)で、す。趣味はお絵描きと本です。よろし、くお願いします」

 自己紹介が終わり、拍手喝采、ではなくみんな社交的な拍手をする。パチパチパチパチ

「零くんの席は左から4番目の、後ろから2番目の席だよ。響夜、手をあげて」

 なんと、零というやつの席は。俺の隣らしい。先生の言う通りに手をあげる

「今、手を挙げた人の隣の空いてる席が零くんの席だからね」

 隣に座って、ランドセルを机に置き、教科書を机の中にしまっている。

「それじゃぁ一時間目の授業は算数だから準備をしろよ。あぁそして響夜、零くんの教科書が届くまで、教科書を見せてやってくれ」

「は〜い」

 一時間目の授業のチャイムが鳴って、教科書をお互い見れるように机に置く。

 近づくと、容姿には似合わないほどにいい香りがする。柔軟剤何使ってるんだろうって思いながら、算数で一番嫌いな分度器の授業を終えた。

「あ、ありがと、教科書」

「ん?いや、いいよ。そうそう、次の授業は体育だけど、体操服あるの?」

「うん」

 そんな短い会話を交わし、なんとなく一緒に外に出た。


「今日の体育なんだっけ?」

「確か、100メートル走だね。ほら、もうすぐ運動会じゃん」

「あーリレー決めか」

 周りの子がそんな会話をしているのを聞き少し嬉しくなる。運動は得意だ。

「では二人でペアを決めてくれ」

 それを聞き挙動不審になってる零に話しかける。みたところボッチだ

「よかったら一緒に組まない?」

 いきなり話しかけられて体をびくつかせながら、頷き返す。

 陽キャグループの一番人気な優斗が走るらしく、女子共がキャッキャッと叫んでいてうるさい

 やはりイケメンだけあって運動もできている。今のところクラスで一番の速さだ。順番が来た。

 スターターピストルが乾いた音を出す。それと同時に勢いよく血を踏み蹴る。転校生に尊敬されるために人生で数百回くらいの本気を出して走った。

 だが、おかしいかなたった数秒の差で距離が離れていく、外見で運動が得意じゃなさそうと決めつけていた、が零の方が俺より足が速かった。

 タイムは零が14秒で俺が19秒だった。解せぬ。

 そんな結果に驚いたのか陽キャグループが優斗を揶揄い始める。

「お前あんな女に負けてんじゃーん(笑)」

「お前、女に、負けプッハー」

 などと揶揄われている。悔し顔の優斗。なんでそんなことで揶揄われているのか意味不明だ。


 これが原因なのかは不明だが、陽キャグループとその囲いによる女グループから、零くんは陰湿なイジメを受けることになった。



 


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