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猫の私は異世界に行きましにゃー  作者: 蜂鳥タイト
第1章・第1部 ライブ編
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78話 ミシュが帰ってきたにゃー


 私は今日、再び楽器店に歩いてきている。

正直そろそろ、8時間トレーニングをしないといけないのだが、会長にお願いして、午後からの4時間トレーニングに切り替えてもらっている。

周りからはもう私のことに批判をする人は誰もいない。

むしろ初めに私に突っかかってきたヒミルもすっかり今では仲良しになっている。

本当に人生……猫生は何が起こるか全くわからない。


「いらっしゃい!シャーリンさん!今日は何の御用ですか?」

「ごめんにゃ……今日もオーダーメイドをしてほしいにゃ!あれ?今回は店主はいないにゃ?」

「はい、実は【爆速ランナーズ】が全員復帰為されるようで、そのために新しい楽器を制作中なんですよ」

「にゃるほど……」

「私も、見習いとはいえ、多少なりとも作ることは出来るので、私でよければ!!」

「そうだにゃ!じゃあ早速……和太鼓とドラと尺八を作ってほしいにゃ」

「……それは楽器でしょうか?」

「そうにゃ!まずは和太鼓はこんな楽器にゃ」

「ふむふむ……基本的には木……で皮があって……この丸いのはなんですか?」

「それはびょうというものにゃ!これで打ち付けてると思うにゃ……横にあるやつはかんと言って……恐らく運ぶためにあるやつにゃ」


正直私もここら辺は詳しくない……が皮についているということで恐らく打ち付けているんだということは分かる。


「この楽器はどうやって演奏するのですか?」

バチという気の棒で叩いて大きな音を出すにゃ!」

「なるほど!ですが……皮の幅が2.5M、この木の胴というのでしょうか?の長さが5Mとなると……相当大きいですよ?」

「そのために台車も作ってほしいにゃ!一応演奏するのはエリさんにゃ!エリさんの頭がちょうど面の半分より下になるくらいで……調整は出来るかにゃ?」

「はい、身長が分かれば可能になると思います、つまり寝かせるのですね?となると重さが……5トンを超えてきますが……持てますか?」

「私たちなら何とかなるにゃ!」

「分かりました、では和太鼓に関しては、この大太鼓、バチ、台車を含め作らさせて頂きます」

「ドラと尺八はこれにゃ!」

「ふむふむ……そうですね、ドラと尺八に関しては今日中に見様見真似みようみまねですが、作れそうです。和太鼓の方は……すみません、ここまで複雑になると時間はやはりかかります」

「もちろんわかっているにゃ!お金はどれくらい必要かにゃ?」

「はい、そうですね……ドラ、尺八の代金は大体合わせて金貨4枚ですね。それで……和太鼓の方は……大太鼓で大体……大金貨50枚、バチで白金貨1枚、台車で金貨5枚と言ったところでしょうか。」


(つまり前世で例えると総額5095000円ということになるにゃ……まぁオーダーメイドでしかもこのサイズとなるとこの値段は少し安いかにゃ、わたしの前世でも昔、主が雑誌をたまたま読んでいたのをのぞき見したとき、900万を超えている太鼓があったにゃ)


一応ミシュの為に使ったお金は私たちの所持金で、このグループ活動のお金は一応スラチオ学園から出るので、特に問題はない。

まぁ……そうとは言え私は神経質なので、このような物を作るということだけは、会長に伝え了承は得てここに来ている。


「それでいいにゃ!よろしくにゃ!そういえばあの楽器とても良かったにゃ!」

「はい!ありがとうございます!そうですね……5日後再び来てくだされば!おそらくお見せできるかと思います!」

「分かったにゃ!よろしくにゃー!」


ということで私は、スラチオ学園で領収書を出してもらい学園に戻っていく……

会長もあまりの金額に少し目を丸めたが、私は絶対に大切にするという旨を離したため快く快諾してくれた。

本当に、スラチオ学園生……いや、ここの世界の人?種族たちは皆優しい。

負けても相手を褒め合うし、憎むことはあって喧嘩することはあるけど、結局は仲直りをする。

前世でもこのような生活がしたかった。

セレムといた時のような……

もちろん主様といた時も良かったけど、やはりどうしても……セレムの事は忘れていない。

今でも私はこの世界で会えるのではないか。という期待の意味も込め毎日を過ごしている、再開してもう一回……仲良くなりたいな。

そんなことを考えながら私は明日に備え、ゆっくりと体を休めるのだった。


次の日、いよいよあの日がやってくる。

そう、ミシュが手術を無事に終え帰ってくるのだ、しかしもちろんリハビリは必要で、毎日通院しなければいけない。


「シャーリン遅いですわよ!」

「ごめんにゃ!ちょっと色々あってにゃ」

「本当に忙しいですよね、シャーリンは」

「それでも遅刻は厳禁、まあいいわ早く行きましょう」

「行きますわぁ~」


ということで私たちは病院まで歩いていくことにしたのだった。

病院に着いたわたしたちは、外でとりあえず待っている。

まだ、ミシュの姿は見えないのだが、恐らく元気でいてくれていると思う。

しばらく見守っていると、奥からミシュらしき女の子が歩いてくる。


「皆!ただいま!」


思っていた通り、ミシュは元気で私たちに大きく手を振って、駆け寄ってくる。

とりあえず安心した、もしも手術でさらに絶望に満ちた顔で出てきたら、もうどうすることのできなかった。


「おかえりにゃ!ミシュ!」

「おかえりなさいですわよ!」

「おかえりなさいませ」

「おかえり」

「おかえりなさいですわ~それと黙っててごめんなさいですわ~」

「スライはこれからも私の目標だから!たとえ今でも最強ならば……私はいつかあなたを超えますから!」

「ふふっ……楽しみですわ~」

「私を忘れてもらっては困るんだけど?あなたたちの上に立つのは私だから」

「とりあえず帰るにゃよ!」


ということで私たちは笑いながら学園に帰っていく。

これで再び平和な生活に戻る!

そう思っていたのだけど。


「エリがいなくなった!?どういうことにゃ!?」

「こういう手紙が置いていました……」


そこに書かれていたのは……

私たちにさらなる試練が待ち構えているのだった。

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