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猫の私は異世界に行きましにゃー  作者: 蜂鳥タイト
第1章・第1部 ライブ編
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75話 完全復活!空族最強【神速のスターリ―】(スライ視点)


 ミシュは病室でエリと一緒にモニターを眺めている。

そこにはこれから選手が出てくるであろう広場が映し出されていた。


「今日はレミンさんが出場されますわね……」

「うん、大丈夫だと良いけど」

「絶対に大丈夫ですわよ」


『さあ、続いてはいよいよ期待全開の、この方です!レミン・カーネイト!』


モニター越しにも叫び声が聞こえてくる……

それはそうだろう、レミンと言えば歴史にも残るほどの有名なお方なのだ。

世界にも出て行ける実力があるとさえ言われている。


「凄い歓声」

「奇声もいますわね……」


『さあ、次は、現在空族2連王の科の方です!コッルルスライ!』


先ほどよりも歓声が少ないがかすかに聞こえてくる。

ミシュはテレビにのめり込んでいる。


「……あれ?あの服って、まさか!」

「ふふ」


『おっと?スライさん衣装を変えたのでしょうか』

『いつものスライさんとは違う衣装ですね。何があったのでしょうか』


どうやら実況の人と解説の人も困惑しているらしい。

ミシュも困惑状態に入っている。


「あの衣装ってスターリ―さんの……あれ?どういうこと?」

「答えはすぐに分かりますわよ」


『今新しい情報が入ってきました!コッルルスライ……いえ本名はコッルルスライ・Fフォン・スターリ―昔【神速のスターリ―】と呼ばれていたそうです』

『聞いたことあります!昔空族、2級レースを全てレコード勝利をするという偉業を持っています!しかし突如レースからいなくなってしまったらしいのですが』


会場内からもざわめきが起こっている。

恐らく知らない人が多いのでこうなっているのだろう。

ミシュはもうただ黙って見ることしかできなかった。



「なるほどな……」

「生徒会長?どうしたのですか?」

「やはりスライがスターリ―だったか」

「それって前にも言っていた最強の?」

「ああ」

「そんなに強いのですか?」

「次元が違うとだけ言っておこう」



私はゆっくりと広場へと歩いていく。

そこに広場にはたくさんの選手の方がストレッチなどをしていた。

私が入ってきたとき皆から一斉にみられる……

それはそうだろう、この姿を見せたのは昔の人たちだけなのだから……


「何あの子……」

「スライさんだよね?あんな雰囲気だったっけ」

「なんか怖いんだけど……」

「強そうです……」


周りか羅聞こえてくるのはとりあえず悪い声ではなっさそうなので一息ホッとする。

久しぶりの下翼げよくを開放したレース……

昔は楽しめなかったけど……今回は……


「スターリーさん。お久しぶりです」

「今はスライですわ~レミンさん」

「ではスライさん、あなたが【神速のスターリ―】だったのですね。復活されて何よりです」

「ある人の為ですわ~」

「スターリ―って誰?」

「ばか!知らないの!?スターリ―と言えば……伝説世代一人除いて全員が手も足も出なかった……と呼ばれてる……」

「うええ……」


どうやら選手の中でも知っている人は知っているらしい。

正直知ってる人がいるとしても私はこのレースを楽しむだけ。


「ではスライさん……今度こそ勝たせていただきます」

「追いつけませんわ~本当の逃げというものを教えてあげますわ~」


私たちはガシッ!っと手を握る。

レミンとはもともと仲が良く、レース前にはいつも、このような会話をしていたことを思い出す。

大体ここにうるさい人がもう1人入ってくるのだが、今回はいない。

そうその人とは……


「マジ!?スターリ―復活すんの!?あ~!一緒に飛びたかったわ~!!」

「ミシュリーが妹さんに合わせるなんて言うからじゃない」

「だってだって!ミーもさぁ!飛びたくないの!?」

「次一緒に飛んだら負ける未来しか見えないから、今のスターリ―さん昔と違いますし」

「確かに……ってそうじゃなくて!」

「ほら始まりますよ」

「フランマジで頑張りなよ~!長い事飛んでなかったみたいだからいいんだけどさ~!」

「ヴィラ―さんも見てますでしょうか」

「見てるに決まってるじゃん!あたし達仲間なんだし!そしてこのレース、間違いなく伝説となるじゃん!」


ミシュリーとミーは喫茶店の個室でモニターを借りて観戦している。

そう、この2人でさえこのレースは異常だと断言しているのだ。

よほどスターリ―が強かったのか良く分かる。


「スターリ―が復活……おめでとう……応援する……まぁ……応援しなくても勝つだろうけど……」

「ヴィラ―!ちょっと来てー!!すぐ終わるからー!!」

「母に呼ばれた……行かないと」


とゆっくり部屋を出ていくのだった。

今回のレースは伝説に残る一戦になる。

伝説世代の4人はそう思っていた。



私は開始の線まで歩いていく、羽を開放し、ここに立つのは10年以上ぶりなので、ものすごくわくわくしている。

何故なのか、昨日まではものすごくここに立つのを嫌がっていたのだが……

きっかけはエリに言われたから?それともミシュに正体を明かすため?いや違う……


(私が、ずっと全力で飛びたかったんですわ~)


『それでは始まります!勝つのは空族1級レース無敗のレミンか!それとも3連王期待のかかる、2連王のスライか!カウントダウンまいります!5!4!3!2!1!スタート!!』


私は一目散に飛び出した。

エリの期待を、ミシュの期待を……私の思いを乗せて。

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