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猫の私は異世界に行きましにゃー  作者: 蜂鳥タイト
第1章・第1部 ライブ編
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60話 空中3連王レース前日にゃー


 明日、ミシュの夢である3連王のレースがある。

ということで私たちは、今日だけでも休めばいいということで、ミシュを連れてある場所に向かっていた。

スライは忙しいという理由で、今回は一緒には行けないということだった。


「ねぇねぇ!どこ行くの??」

「もう少しの辛抱ですわ!」

「今日はミシュにとって、いい人に出会えるかもしれないですね、エリのことだから誰を呼んだのか分かりませんが……」

「え?どういうこと?」

「私も詳しく知らないにゃ」


ということで、どんどんと山の中にはいっていく……今回の作戦は、すべてエリが考えてくれたらしいのだが、正直ここまで山の中だと何もない気がしてくる。


「もうすぐ見えてきますわよ!」


前を見ると光が差し込んできている。

間違いなく、あの上に何かがあると確信していた。

私たちは山を登りきると目の前には、ライブ会場が建てられてあった。


「ライブ会場にゃ?」

「ここは確か……誰でも無料で歌ったりできるところですね……」

「それは分かってるけど……何で?私歌うの?」


確かに、明日3連王の為のレースなのにわざわざここで、歌わせるのは何かが違う……

そんな不安な気持ちを抱えたまま、中に入っていく……

中は広く、結構掃除もされていて綺麗だった。


(でもエリってこんなところはちゃんとしているにゃ……つまり)


「今日は!ミシュの為に特別ゲストを呼びましたわ!」


とエリがボタンを押す……すると周りの照明が落ちる。

しばらくすると再び照明がつく、前には1人の女の子が立っていた。

その女の子には白色の羽が付いており、丸い黒斑点が表に見える。

水色の髪でかなりのロングヘアだった。


「あ……あうあ……」

「誰にゃ?」

「分かりません……ですが……ミシュさんすごい顔してますね……」

「スターリーさん!!」

「「えええ!?」」


そう……目の前にいたのは、昔からミシュが好き好きと連呼していた【神速のスターリー】ならぬスターリーだった。


「ミシュさん、3連王応援しています、それでは聞いてください。【遥かな先へ】」


と音楽がかかり始めスターリーさんの


(何か声が……聞いたことあるような……ないような……)


私は不意にミシュを見るとミシュは目がキラキラして……

何処から持ってきたのかペンライトをぶんぶん振り回していた。


「ふあああ!よかったああ!!」

「それにしても良くスターリーさんと知り合いでしたね、エリ」

「昔からの幼馴染ですわ、一応連絡先は知っているのですわよ」

「ミシュは……自分の世界に入ってるにゃ……」

「ふあああ~スターリーさんの生ライブ~今日は忘れない!あ!サイン忘れた!!エリ!!サインもらってきて!!幼馴染なんでしょ!?」

「ええ!?私ですの!?」

「それはそうですよ……エリ」

「頑張るにゃー!」

「はぁ……しょうがないですわね、もらってきますわよ!その代わり渡すのはレース後ですわよ!」

「ありがとー!」


そうして私たちは再び寮に戻っていく……

私もスターリーさんの噂は聞いたことあったのだが、生で見たことはなかったのだ。

ミシュにとっては、憧れていた有名人が目の前に現れたようなもの……

平常心に居られるわけがない。


「ただいまー!スライ!」

「お帰りですわ~どうだったのです~?」

「もう最高だった!聞いてよ!スターリーさんの生ライブ聞けたんだよ!こんなこと滅多にないよ!」

「それは良かったですわ~ミシュは昔からスターリーさんの事、大好きだったですものね~それでは私はお菓子買ってきますわ~」

「本当にお菓子好きだよね……」

「当然ですわ~」


スライは満足そうに頷き、歩いて行ってしまった。

それはそうだろう、近くで推しの事を語っている子の夢が叶った、それだけでも近くで見ている側は嬉しくなるものなのだ。


エリは公園である人と待ち合わせをしていた……

そうスターリーに感謝しないといけない……

わざわざ1人の為にライブをしてくれたのだ。


「スターリ―……今回はありがとうですわ、わざわさミシュの為に……」

「全然大丈夫です。こちらこそ久しぶりのソロライブでした」

「話し方と容姿が変わると……すごく不自然ですわよ……」

「ふふっ……この姿ではこの話し方の方が良いです」

「いつまでも待っていますわ、本当のあなたを……」

「その時は……今はまだ違います。ですが、いつか……必ず」

「お待ちしてますわ」

「最後によろしいかしら?」


とスターリ―がエリにストップウォッチを渡す。

どうやら飛ぶため計測してほしいようで……


「大丈夫ですの?その姿で飛ぶのは……10年ほどぶりですわよね?」

「見ていてください。私がこの門をくぐったら止めてください」


スt-リガ羽を広げ飛んでいく……そのスピードはまさに圧倒的で……あっという間に見えなくなってしまった……そうこれがスターリ―さんの本来の飛び方……レコードを出し続け、ほかの空中種族を引退にまで追い込んだ……


エリはスライが通ったことを確認するとストップウォッチを止める。

そこに映し出されていたのは1:20秒だった。


「3000M飛んできました」

「3000Mを1:20秒ですわね……やはりとんでもないですわ……」

「ふふっ!飛べて嬉しかったです、夜こっそり練習してるんですよ?これでも」

「そうなんですのね、おっとそろそろ時間ですわ!またですわ!」

「またね」


2人はそういうとその場で解散することにしたのだった。


明日はいよいよミシュの3連王……最後の難関鳥1級レース……片道500KMの総距離1000KM長距離【ヒューリンガースカイ】が幕を開けるのだった……

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