58話 ライブ二次予選、結果発表にゃー
ライブ1次予選の結果からはや2日が経過した。今日いよいよライブの2次予選の審査方法が決まる日で……
私たちはモニターを覗き込む。もちろん場所はミシュ&スライの部屋で。
「始まりますわよ!今回はシュレーヌさんが考えてくれていると聞いていますわ!」
「またシュレーヌさんにゃぁ……大丈夫かにゃぁ……」
「またとんでもない人を呼んでいるのではないですか……?」
「前回の鬼ごっこも人選すごかったですわ~」
「にゃにゃ!始まるにゃ!」
『さあ、今回の【音楽強烈審査委員会】では!なんと!特別にスラチオ学園一年生による、MVをこの番組の審査員5名に審査していただき、順位をつけさせていただきます!結果発表の仕方は、いつも通りの、1人10点満点の50ポイントとなります!さらに今回は2曲審査の為、2曲合わせた100ポイント満点で総合順位をつけて頂きたいと思います!結果発表は今日の夜7時です!皆さん是非ご覧ください!』
「なんですって!?」
「にゃあ……こんな番組があったにゃんて……分からなかったにゃ」
「【音楽強烈審査委員会】と言えば……プロの人たちが……良し悪し構わず辛口で、評価をするという番組です……この審査員の人たちは全員厳しくて……満点なんて今まで一度も……出たことなかったですよ」
「それは厳しいですわ~」
これはとんでもない番組に目を付けられたのではないか……と急に不安になる。
聞いた話……批判は当たり前で、もちろんいい評価もするらしいのだが滅多にしない……らしい。
私たちは、とりあえず時間になるまでゆっくりとMVを何度も何度も見直すのだった。
一方その頃……
「なかなかいい出来のMVがないな……」
「初心者も多いのか?まぁ……学園行事者だからな……」
「【シマ×シマ】は……曲自体は良いが……少し照明が明るすぎる。これだと見る人の目が痛くなる」
「【爆速ランナーズ】は今回は2人か……さすがと言ったところだが……バリエーションが全部同じだな、目新しさが感じられないね」
「【シャースミミリン】あ~あの猫族がいますね……市民投票でぎりぎり50位ですか……ん?何このMVは……皆ちょっとこれ見てほしいです」
1人が皆にモニターを見せる。
皆は目を丸くして驚いている、まるでこんなMVを評価してもいいのだろうか?と言わんばかりの緊迫した空気が流れる。
「どう思う?」
「ほかの全部とは違うことは分かるが……なぜ50位に入っているのかが分からんな」
「そうですね……私たちの目が節穴の可能性もあります、何回か見て評価しましょうか」
「よくこんなMVを作れたよなぁ……びっくりだ」
「まぁ……全員の評価は一緒みたいだな、どんどん見ていくぞ、時間がないんだ。学生のhとが多いからって生ぬるい評価はしないからな」
と再びMVの審査に戻るのだった。
【シャースミミリン】MVのあの反応……これが吉と出るか凶と出るかは、この審査員たちにしかわからない。
そうして時間が過ぎ、いよいよ2次予選結果発表の時間が来た。
私たちは再びミシュたちのいる部屋に集まる。
どうやら私たち全員、緊張でそわそわしている……らしい?スライは普通に座っている。
「ちょっと!動きがうるさいですわよ」
「何を言いますかエリ!あなただってうるさいですよ!」
「全員震えてるから、同じじゃん」
「緊張するにゃ~」
「本当に緊張しますわ~」
「「「「そんな風には見えない(です)(ですわ)(にゃ)(よ)!!」」」」
「一斉に言われましたわ~!」
『さあ!始まりました!【音楽強烈委員会】!今回は50曲の中から選ばれた25曲を評価感想を一緒に交えたいと思います!それでは早速ですが審査員の皆さん発表をお願いいたします!』
一人の男の人が歩いてくる……どうやら鳥族らしく後ろに羽が生えている。
その男の人はマイクを持つと話始める。
『え~まずは皆さんの審査をした全体の話になりますが……はっきり言って最悪なMVが多かった印象です。10位以内までは私たちも悩みました。ですが許容して順位をつけさせていただきます』
「うにゃあ!?すごい辛口にゃ」
「これがこの人たちの審査方法ですわよ……」
「大丈夫でしょうか……」
「信じようよ!」
「そうですわ~信じるのは大事ですわ~」
しばらく話をしているとようやく順位が発表されていく……相変わらず凄い辛口で、背景が悪い、印象最悪、曲をダメにしている。など等凄い評価だった。
そうしてベスト4までやってくる……未だに私たちの名前は出てきていない。
正直私たちはすでに諦めているのだが、最後まで見ることにしたのだった。
『それでは第4位は【シマ×シマ】1曲目40点、2曲目39点の79点です、こちらはさすがアイドルですね、というのが私たちの感想です。しかしMVですが少し明るすぎだと思います。確かにアイドルはライブなどできらきらしてはいますが……このMVは目が痛くなりますので今回は4位ということにさせて頂きました。』
「リン姉ちゃん!うわーん!」
「よしよし……照明を変えてしまった私の責任ですよ。ですが……良かったです。この審査員たちはかなり厳しいという噂だったので……4位に入っただけでも良かったと思いましょう?」
「はーい……」
『次の第3位は【フラン・カーネイト】1曲目41点、2曲目40点の計81点です。こちらはソロ曲ということでとてもクールな曲だというのが良く分かります。MVもいいですね黒色や青色が多く、とても引き込まれます。しかし、曲は打ち込みというのが明らかに分かりますね。楽器のずれなどが目立ちます。よって三位とさせていただきました』
「3位か……はぁ……」
『続いて第2位は……【爆速ランナーズ】1曲目46点、2曲目45点の計91点』
『おおっと!?90点越えが2位できましたよ!?さすがシュレーヌさん率いる【爆速ランナーズ】!』
「90点にゃ!?」
「凄すぎますわよ!」
「滅多に見れませんよ……」
「すご……」
「……でもこれで2位ですわ~1位はなんですの~??」
『【爆速ランナーズ】は王道と言った曲展開で、全体的にとてもクオリティーが高いですね、この¥¥今まで審査してきた中でも上位に来るでしょう。しかし、1つ欠点をあげるとするならば……同じ展開ばかりでつまらないというところですね。1曲目と2曲目が同じような展開です。もう少し変えても良かったと思います。よって今回は2位とさせていただきました』
「ふむ……なるほどな……ヴィラ―すまんな」
「……いえ……だいじょうぶです……」
『続いて第1位です。こちらは満場一致でした。第1位【シャースミミリン】1曲目46点、2曲目50点の計96点』
『おおっと!?なんと2曲目は……史上初の満点です!!満点が出ました!!』
「まん……てん……にゃ」
「あわわわ!!なんということですの!!!明日世界が滅びますわ!!」
「落ち着いてください!!エメ!!」
「ロミこそ落ち着いたら……」
「凄いですわ~!私たちが1位!満点ですわ~!」
『この2曲目の曲【FellowAlways】ですが……曲と歌詞が良い、そして周りの方たちを巻き込んでのMV……ここも評価しますが正直そこは普通にあることです。しかしワタ失態が評価したのは、中間の雨が降り病んで虹が出るシーン……ここはすべてその場で起こったこと思います。理由としてはこのMVの右下に録画記録の数字が残っており、日を分けて撮影していないこと……そしてこの虹は……合成では付けられない……薄い美しい二重虹がかかっています。つまり……このMVは、この時にしか撮影することのできない…… 奇跡のMVということです。ということで満場一致で満点をつけさせていただきました』
『ありがとうございます!わたしもこのMVを見たのですが、確かにきれいで、臼井二重虹とは思いましたが……まさか本物の虹とは!これは満点も間違いなしですね!それでは順位もすべて出そろったということでこの25組の皆さん!リアルライブで楽しみにしていますね!それではばいばい~!!』
と別の画面に移り変わる。
一般の人たちは、合成に見えても、審査員には本物の虹だとわかってくれたため……1位を取ることが出来たということらしい。
明日には再びレースのトレーニングが始まる……私たちはこの結果に満足せず、また明日から頑張ろうと決意を固めるのだった。




