47話 水族館にいくにゃー
私は今……主人様と散歩に出かけている、あの時の人間の姿はなんだったのか……どうやら水族館に行くようだったのだが……
「なぁリンリン……俺さこうやって散歩する、相手がいなかったから……リンリンに会えてうれしいよ」
「にゃー!(私も!)」
ということで水族館に着く……どうやら動物オッケーの珍しい水族館らしく……私はご主人様の後をゆっくりと歩いてついていく。
でも私は猫のため、高いところの魚は全く見えない、大きな水槽の場所ならば見れるのだが……
「リンリン!次はイルカショーを見に行くよ」
「にゃん!(了解!)」
ということで私はイルカショーの会場に2人で歩いて行く。
ご主人様は私のペースに合わせて歩いてきてくれているため、かなり歩きやすい。
だが何故か……悲しい気持ちが私の中に生まれる……
私たちは椅子に座るとイルカが飛び出してくる……そしてイルカはそのまま私の前まで飛んでくると。
「起きなさい……」
イルカの口から確かにそのような声が聞こえた。
私はまさかイルカが話せるとは思わなくてご主人様の方を見る……が……ご主人様は目の前のイルカには目もくれず奥のイルカショーを見ていた。
「にゃにゃ!?しゃべったにゃ!!?」
「早く起きなさい、もう行きますよ」
「にゃ!?なんにゃ!!」
私はベッドから飛び起きる……どうやらあのことは全部夢だったようで……
目の前にはフランが立っていた。
「今日はどこへ行くつもりですか?」
フランが歩きながら私の事を見てくる。
特にどこも行く予定はなかったのだが……あの夢を見たということは……あそこに行くしかないだろうと私は考えていた。
「水族館に向かうにゃ」
「水族館ですか……場所分かるんですか?また迷子になって無駄足踏むことになりますよ」
「にゃうう……分からないにゃ……」
「はぁ……そういうところもっと調べて行動してください。ついてきなさい、案内します」
とフランを先頭に歩き出す。
私はもう迷わない様に、フランの後をゆっくりとついていくことにしたのだが、結構距離があったようで……気づいたら海に出ていた。
「久しぶりの海にゃあ!!」
「目的もないのに泳ぎませんよ、それと、そんなに興奮しないでください、迷惑です。ほら早く行きますよ」
「にゃうう……」
結局フランに言われるがまま、海には寄らず歩き続けた。
一応、私はその理由は分かっていた。フランは鳥族……今で1時間程歩き続けているため、もうフランの足は限界だろう……並びに今日は、送り迎えの乗り物も休業中の為に歩くことになったのだ。
実だな体力を海で使ってしまうと、ダメだという考えだったらしい。
「ここです」
「これは……ドームにゃ??」
目の前にあったのは水族館とは程遠い……ドームだった。
もしかしたら中に水族館があるのだろうか?とも考えるが……中には水槽は1つもなかった。
「ここは何をするところにゃ?」
「まさか水族館の事を何もわからずに来たのですか?水族館というのは……魚族やイルカ族などのパフォーマンスを見るところです。私たちで言うライブ会場の水版と言えばいいですか?ここで少し、待ってください」
「知らなかったにゃ!!」
(つまりあの夢で見た……イルカショーの事にゃ!多分水族館というのはそのショーをする会場の事にゃ!)
私は不意に納得しフランの方を見る……フランは受付で何やら、話をしていた。
どうやら受付でチケットを取れるらしい……
私は気になってフランの横に歩いていく。
「それでは、こちらの見放題チケットはいかがでしょうか?」
「すみません、それは種族は決まっていますか?」
「いえ、種族は何でも大丈夫です!2人ということですので、それぞれ別々の種族を見ることもできますよ!」
「値段はどれくらい?ですか?」
「はい!2つで金貨4枚です!」
(まさかの1枚2万円にゃ!!?)
「シャーリンさん金貨1枚持っていますか?」
「一応持っているにゃ」
そう、2級以下のレースにはちゃんと出走しているので、お金は一応金貨2枚・白金貨2枚・銀貨3枚・白銀貨4枚・銅貨5枚・白銅貨6枚・鉄硬貨9枚・石硬貨8枚を持っている……
前世の値段ならば……36398円を持っていることになる。
私は割り勘ということで、お互い金貨2枚ずつ出し合うことにして、受付の人に渡す
これで残りは16398円となった。
「ありがとうございます!中に入れば、看板にプログラム名など書いてあるので!また一応、種族たちとお話も出来ますので是非楽しんでくださいませ!」
私たちは受付の人に頭を下げると、そのまま歩き出す。
受付の人が言っていた通り、先に進むと大きな空間があり……上にはなんと前世で言う……電光掲示板が置かれていた……
そこには、左から時間、種族名、学校名、チーム名の順に並んでおり……まるで前世での映画館に来ているような気分だった。
「にゃにゃ!?」
「なんですか?うるさいですよ」
「見るにゃ!あの人!ひれがついてるにゃ!」
そう目の前には……背中にひれをついている1人の女の子が歩いていくのが見えた。
もしも……あれが飾りでなければ……ここの魚族たちは水陸両用ということになる……
「魚族なので当たり前です」
「でも魚って水にゃよね!?」
私の反応にフランは訳の分からないような顔をする。
どうやらこの世界では……水が得意な種族が魚族などの種族で、外を出歩くのも大丈夫、ということだった。
(そういえば鳥族も思いっきり歩いてた……前の合宿中に川で泳いだり、潜ったりしていたにゃ……)
ここでは前世の常識は通用しない……お金などは分かりやすいのだが……それ以外は全く違う……
「ほら、行きますよ」
私はフランに呼ばれて看板の所に向かていくのだった。
ここで私は初めて、魚族たちのパフォーマンスを見ることになるのだった。




