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猫の私は異世界に行きましにゃー  作者: 蜂鳥タイト
第1章・第1部 ライブ編
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45話 1曲目のMV撮影完成と違和感にゃー


 今日は残りの撮影するために私たちは校門前に集まっている。

私のお願いにより楽器は持ってきてはいない……その理由は……


「今日はダンスをするにゃ!」

「いよいよですわね!」

「練習の成果ですね、確かに全くダンスをしないというのも……私からしたら嫌ですし」

「よし!ダンスならば頑張る!」

「私も頑張りますわ~」

「残りの場所的に残りは……3か所で充分にゃ」

「3か所回るのは面倒ですわ、大きな噴水の場所で良くありません?」

「うーん……確かにそうにゃ!わざわざ移動する必要もないにゃ、エリさん連れてってにゃ!」

「任せてくださいまし!いい場所を知っているのですわ!」


ということで私たちはエリに連れられて大きな噴水がある場所に向かう……

のだが、今私たちが歩いているのは何の変哲もない……獣道だった。


「エリさん本当に大丈夫ですか??どう見ても……山に登っているのですが……」

「もう疲れた……」

「私も疲れましたわ~」

「本当にあってるにゃ……?」

「ええ……私が覚えてる限り山にあったと……思うのですわ……」

「迷子になってないですよね?こんなところで遭難したら……スライさんがいるから大丈夫でしょうか……」

「私は案内係ですか~?」


そんな会話をしつつもどんどん山の中に入っていく……

もう背丈ほどの雑草が生い茂るところまでやってきた。

ここから先はもう道がなく……前が見えないのだ

完全に迷ったのだろう……エリは周りをきょろきょろ見渡していた。


「完全に迷いましたね……スライさん、帰り道を空から案内お願いします」

「分かりましたわ~」

「はぁ……もう……」


ミシュはもう限界のようだったので、私が背負うことにした。

元々鳥族は歩いて山に登ることなどほとんどなかったため、足が限界なのだろう……


「見つけましたわ!!これですわ!!」


奥からエリの叫び声が聞こえた……

私たちはゆっくりとエリの進んだ道を歩いていく……


「それにしても凄い雑草……」

「頑張るのですわ~」

「もうすぐ抜けるにゃ!」


私たちは最後の茂みを突き抜けるとそこには……

何やらトロッコ列車が放置されていたのだ。

しかもそこの線路は綺麗に整備されており……看板には[自由にお乗りください!操縦には気を付けて]と書かれていた。


「こんなところに……トロッコ列車があったなんて……びっくりしたよ」


ミシュも知らなかったらしく、目を丸くしている。

ということで私たちはトロッコ列車に乗り込む……

操縦士はどうやらエリのようだった


「それじゃあ行きますわよ!!」


ということで私たちは、どこに行くかも分からないまま連れられて行く……

しばらく景色を楽しんでいると……前に巨大な滝??のようなものが見えた。


「なんにゃ!?あれは!!?」

「滝……??いや……噴水ですか!?」

「うそでしょ……大きすぎ……」

「これはびっくりですわ~でもとても綺麗ですわ~」

「ここで撮りますわよ!私も昔、道に迷ってここに来たんですわ!見て、後ろですわ!景色がすごくいいですのよ!」


そう、振り返るとそこには町やライブ会場、レース会場そして……5大癒しの滝が見れるのだ……正直こんなところ知らないと絶対分からない……とは思った


「じゃあ……そうだにゃぁ……横一列になってにゃ!」

「まさかこれでダンスするんですの?」

「そうしかないですよ?エリさん」

「まぁ横一列はあまり見ないからね」

「新鮮ですわ~」

「1人が歌っている間は皆でダンスにゃ、そうしたら掛け声の所で手を伸ばした後……私がウインクジャンプでにゃー!にゃ」

「なかなか難しいですわ~」

「頑張るしかないでしょ!!」


ということで私はメモリー結晶を準備する……

一応前日の時も持って来ていたのだが、滝などの大きな音が響いている所では、このメモリー結晶が役に立つのだ。

メモリー結晶とは、録音した映像や録画を流せることが出来る一種の魔法具で、その際、周り50M以内の音が抑えられるという、MV用に作られたもので、これにより滝や、大きな噴水などの場所で撮ることが出来るのだ。


「それじゃあいくにゃよ~」


ということで私はビデオカメラをセットしカメラを回す……

そうしてひたすらの撮り直しが始まった……のだが


「ダンス自体はいいですわね……」

「でも何か違和感があるにゃ……なんにゃ?」

「ミシュさん少し……動きが小さいですね……あとここ……しんどいのは分かりますが、羽を伸ばす時あまり顔を歪めないでください」

「別に……しんどいわけじゃ……」

「じゃあミシュさんだけやってみるにゃ」


ということでミシュだけ音楽に合わせて踊ってもらったのだが……


「顔は良くなりましたね、でも今度は……羽が伸ばし切れていないです、何回かしましょう」


そうして練習すること10回目……ようやく、違和感のあった羽の部分を完璧に踊れたのだ。


「じゃあ最後にゃ!皆で合わせるにゃよ!ミシュ……大丈夫にゃ?続けて行けるにゃ?」

「はぁ……はぁ……大丈夫……これで終わりなら」


ということで私たちは最後の1回を通しで踊り切ったのだった。

後は今日まで取った映像を繋ぎ合わせるだけという作業の為、ひとまずは寮に帰ることにしたのだった。


「今日は本当にお疲れ様にゃ!1週間後には2曲目のMVも取る予定にゃ!それまではゆっくりと休んでほしいにゃ!」

「「「「お疲れさまでした!」」」」


と皆は各自別々の部屋に戻っていった……のだが私は何か心に引っかかりを感じていた。

それはミシュの行動だ……今まで私と会った時、移動する時は常に空を飛んでいたのだが……急に飛ばなくなり歩き出した……初めは足を鍛える、持久力を上げるためだとは思っていたのだが……


(本当にそれだけにゃ?ダンスの時も羽を伸ばすところだけしんどそうだったにゃ……まだ羽に疲れが残っているのかにゃ?)


私はその後、真剣に考えるも結局答えは出なかった。


(1次予選まで残り2ヵ月と少し……それまでに何とか……完成はさせたいにゃ……結局入学祭は今回……シュレーヌさんのおかげであの後……1年ほど余裕を持たせてくれたにゃ……今で2か月過ぎたくらい……一応……間には合いそうにゃ)


私はその後、部屋の風呂に入り、すぐベッドにもぐりこむ……

寮には大浴場もあるのだが、今日に関しては入る気にはならず部屋の風呂で済ましたのだ。

そうして横になると……思っていた以上に疲れがあったのか……あっという間に目を閉じるのだった……

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